ミラノ在住、勝ち組の景色を手に入れた友人と2人でスコットランド周遊旅 〜失われたネッシーを求めて〜
大学の友人、遠藤との二人旅
大学でできた数少ない友人のうちの1名。それが遠藤。頻繁ではないが、何度か二人で海外旅行へ行ったことがある。これまで行ったのは、卒業旅行のフランスとスペイン、社会人になってからは香港、マレーシア。
そんな彼は今、仕事でイタリアのミラノに住んでいるので、遊びに行くことにした。ちなみに遠藤は2回目のイタリア駐在で、前の滞在中にも僕は一度遊びに行ったことがある。
僕には海外、遠藤にはホームタウン
遠藤も「せっかくだしミラノを出て旅行に行きたい」という。そりゃそうだ。どこの国に行くか考える。遠藤が何やらシェンゲン協定云々で、年末はヨーロッパのほぼ全部の国に行けないという。消去法でスコットランドに行くことにした。ネス湖に行くことができそうだ。ネス湖以外の旅程は全て遠藤に任せた。
出発の1か月ほど前に、アナザースカイでビビる大木氏がネス湖を訪れるという、「ネス湖かぶり事件」は発生したが、それ以外の大きな問題はなく、旅行当日を迎えた。エクスペディアで一番安かった、ワルシャワ経由。往復11万円。クソ安い。欧州どうした?
12/22 旅立ちの日。
空港のローソンで、遠藤から要求された「悪魔のおにぎり」と大福を購入し、搭乗。ポーランド航空初めて乗ったけど、特に不満はなかった。機内では、シュガーラッシュ、ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日、花火の3本を鑑賞した。
トラのやつは前にも飛行機で鑑賞したんだけど、英語だけで何言ってるかよくわからなかったので、再チャレンジ。日本語字幕はなかったが、漢字(中国語?)の字幕があったので、なんとなく大意をつかむことに成功。ようやくオチを理解できた。怖。
シュガーオンラインは今CMやってるやつかと思って「なんかネットの世界で色々やるんじゃないの?」と思ってたら、それの前作だった。ファミコンぽい映像が多くて面白かった。
11時間半乗って、ワルシャワ・ショパン空港に到着。あまり大きくはなかったが、売店は充実していて楽しかった。日本の百貨店でよく見るオシャレな皿が売っていた。海外の空港はワクワクする。文化の違い、知らないものは楽しい。
乗り継ぎの猶予は2時間ほど。500mlの缶ビール1本飲んで待つ。再び飛行機に乗って、マルペンサ空港へ。ここからは2時間なのですぐだ。
時間が少し巻き戻って、12/22の18時30分にマルペンサ空港に到着。前に来たのは7、8年前だったが、飛行機から荷物引上げのところに向かう緑色の通路は前回来た時と変わらなくて、懐かしさを感じた。荷物引き上げのところは以前はもっと暗かった気がする。改修されたのだろうか。
迎えに来てくれていた遠藤と合流。久々に会ったが、驚くほどイタリアに身も心もフィットしていた。スパッツ?というほど体にピタっと張り付いた黒パンツ。大きく開かれた純白のシャツの胸元からはマリオみたいな胸毛が顔を出し、ジローラモとトニークロスビーを足して2で割ったような顔になっていた。これは100%真実である。疑う方はミラノで確かめてほしい。
鉄道から地下鉄を乗り継ぎ、遠藤の住んでいるマンションへ向かう。到着して驚愕した。めちゃくちゃ高そうなマンションの上の方の階。
近くには高層ビルが2本立っているくらいで、他に高い建物がないため、見晴らしがとてもよい。遠くにはミラノの観光名所であるドゥオーモが見える。近くには二子玉ライズ的なショッピングモールもある。東京で言えば武蔵小杉にあたる、再開発で脚光を浴びている地域とのこと。
そのあまりに立派な住まいを見て思う。「何か悪いことをしてお金を稼いでいるな」と。ただ、久々の再会でいきなりそこを指摘して険悪になりたくない。この時は質問はしないでおいた。しかし、旅行後半で、遠藤が恐るべきブラックビジネスに手を染めていたことが明らかになるのであった。
家に荷物を置くと、近場のレストランで食事をすることにした。イタリアン。ボッタルガ(カラスミ)のパスタを食べる。うまい。食べていると、遠藤が「ミランの選手がいるよ」という。今のACミランの選手はイグアインくらいしか分からない。聞くと、レギュラークラスの選手で、遠藤と同じマンションに住んでいるという。ACミランの主力級と同じマンションに住む遠藤。聞くと、この選手以外にも複数の各国代表クラスが住んでいたことがあると。最早、チンケな小遣い稼ぎではなく国際問題級の悪事に手を染めていることは疑う余地が無い。しかし、それを暴いて旅行を台無しにするのも嫌だ。そう考えた僕は大人の判断で、それ以上の詮索をやめたが、のちにその判断を後悔することになる。
時差ぼけもあって気を失うほど眠かったので、改めて少し夜景を見たあと、「俺んちだって富士山が見えらあ!」と叫んで就寝。
12/23 ベルガモの恐竜博とシケたサンタマラソン
朝起きて、朝ごはんどうしようと思っていたら、遠藤が何やらケーキのようなものを出してくれた。ミラノではクリスマスに「パネトーネ」というドライフルーツ入りのケーキをやりとりする習慣があるとのこと。サッカーボールの5号球を半分にしたようなサイズで、遠藤の家にはもう4つくらいあった。試しに食べるとおいしい。ドライフルーツはあまり好きじゃないけど、おいしく食べられた。「うんざりするほど貰うんだよ」と、遠藤は苦い顔をしながら僕が買ってきた悪魔のおにぎりを食べていた。
遠藤の住まいの近くには立派なショッピングセンターがあるので、そこに散歩へ行った。途中には広々とした公園もあって、住環境は最高だ。ショッピングセンターに入ると、LEGOのシロクマが置いてある。まだ時間が早かったので、お客は全然いない。昼間は人で溢れるらしい。
カフェでコーヒーを飲むことにした。僕はアメリカン、遠藤はエスプレッソ。イタリア人はよくエスプレッソを飲む。口をスッキリさせる目的もあるらしい。見てると、席が空いているのに、席に座らずに注文をしたカウンターでそのまま飲んでる人が多い。
あと、知らなかったが、アメリカンコーヒーってエスプレッソを薄めて作るんだと。店によってはアメリカン頼むとエスプレッソとお湯が出てくると。また、食後のイガイガした口の中をおいしいエスプレッソですっきりさせるという意味で飲むこともあるため、イタリアの一部地域ではエスプレッソ飲んだあとに水を飲むと「まずいエスプレッソだった」ということになっちゃうところもあったらしい(今は無い)。以上、遠藤のウンチク、略して「遠藤のウンチ」でした。
この日は1日暇だったので、ミラノ近く&風情のある町、ということでベルガモへ行くことにした。P.TA GARIBALDI駅から電車に乗って向かう。
pioltello limito駅で乗り換え。すると、乗り換えるべき電車が30分ほど遅延していた。どうやら電車が遅れてい到着まで時間があったので、駅舎の中にあるコーヒーショップで休憩することにした。
チョコレート溶かしたみたいな最強に甘い飲み物を飲んで復活。カフェの店員さんが「おいしいよ」とか「おいしかった?」とか聞いてくれるんだけど、言葉が分からないから気付けなくて残念。遠藤が対応してくれていた。
そろそろ電車が来る時間。ホームまで行ってみたら、遅延が1時間にパワーアップしていた。マジかよ。仕方ないので、寒いけど外でそのまま待つ。結局1時間15分くらい遅れた。その間なんのアナウンスも無い。
ようやく来た電車に乗ってベルガモ到着。駅を出ると、すぐに巨大な恐竜の像があってテンションが上がる。どうやら恐竜博物館があるようだ。是非行きたいので、そこを目指すことにした。
12月23日ということもあって、街はクリスマスムード。クリスマスの市場がやっていて、お菓子とか雑貨とかお酒などが売っていた。メリーゴーランドもあった。これも常設じゃなくて、運んできた即席のものらしい。トリケラトプスの像もあった。
10分ほど歩くと、「funicolare citta alta」と書かれたケーブルカー乗り場がある。「チッタアルタ」は丘の上の街。これに乗って丘の上へいくのだ。同じゴンドラにシェパードを連れた人が乗ってきた。噛みつき防止のフェイスガードをしていたが、少し緊張感があった。
ケーブルカーに乗って3分ほどで丘の上へ。雰囲気のある綺麗な街並みだ。どことなく、前に訪れたシエナに雰囲気が似ている。小さなお店が連なっていて、適度な活気もある。なんとなく入った聖堂がめちゃくちゃ荘厳でおどろいた。なんらかの聖堂がこのレベル。ベルガモチッタアルタ恐るべし。
その辺の店で昼ご飯。VINERIA COZZIという店。店内が満席で、屋根はあるが屋外の席に通された。ヒゲが連結されたおじさんの絵が描いてあって不安になったが、料理はおいしかった。メインは肉。付け合わせはポレンタというとうもろこしのペースト。ベルガモの伝統料理らしい。クスクスみたいな感じでおいしかった。
腹ごしらえを済ませて、恐竜博に向かう。途中、首の長い恐竜が立ち上がっている像を発見。かなり立派な像だ。
像を通り過ぎて先に進んだが、肝心の恐竜博物館が見当たらない。近くにはあるようだけど。仕方なくもう一度戻ってみたら、先ほどの恐竜像の足元に入口を発見。見落としていた。「Museo Civico Scienze Naturali Enrico Caffi」と書いてある。ここは自然科学博物館で、1/6まで恐竜の特別展をやっているということらしい。
入場してすぐのチケット売り場にはニコやかなおばちゃんが2名。大人2名を買おうとしたら、おばちゃんが何か言ってきた。どうやら僕が学生だと思ったらしく、「学生なら学割あるよ」的なことを言ってくれてたらしい。老いてるとみられるのも嫌だが、36にして学生と間違えられるとは。威厳が無いのだろう。屈辱。
この自然博物館、マジですごかった。恐竜の展示も立派だが、鳥や熊などの獣のはく製が異常に充実していた。素晴らしい博物館。お土産に缶バッジを購入。
博物館を出て少し散歩。紙を強化した感じのベルガモのチッタアルタからの眺めはとてもよかった。帰りはケーブルカーではなく、階段を歩いて降りる。
街ではサンタクロースの恰好で走るマラソン大会が開催されていた。参加者は暑そうな格好で頑張っていた。運営はやる気無さそうで、ゴールテープは張られたり張られなかったり。
ミラノに戻ってちょっと買い物などブラブラ。個人商店が多くて楽しい。軽く飲みたくなったので、通りがかりのビール屋さんに入った。狭い店内に沢山の缶ビール、瓶ビールが沢山置かれている。壁からビールの注ぎ口が4つほど顔を出していて、そこから生ビールが出てくる。一杯ずつ飲んだ。「BREWDOG TOKYO」という缶ビールが気になった。スコットランドのビールで、日本製ではないらしい。紛らわしい。
ナイキの店にも立ち寄った。日本では完売しているモデルがいくつか残っていた(僕は見ても分からないが、遠藤は詳しい)。そういうことはよくあるらしい。
スーパーマーケットに立ち寄って、パスタソースなどのお土産を買う。
そして晩御飯。前回も訪れた店。魚卵狂いの僕は、昨日と同じくボッタルガのパスタを注文。昨日の店も悪くはなかったが、やはりこっちの方がうまい。毎日食べたいほどだ。生ハムもうまい。ワインもうまい。焼いた肉も特別うまかった。石油王遠藤はこれを毎日食べているのか。恨めしい気持ちの中、たらふく食べて地下鉄乗って遠藤城へ帰宅。
12/24 おじさん2人のクリスマスイブ
朝起きて、前日にスーパーで購入したピザパンを食べた。アンチョビとチーズのやつで、相当においしかった。
食べ終わると、前日同様ショッピングセンターへ。この日は1階まで降りてみた。1階はファッション系のお店がいくつか入っている。フラっと入ったファストファッションの店で「NASA」とロゴが入ったTシャツやパーカーを発見した。遠藤曰く「流行ってるよ」とのこと。迷ったが、胸にNASAのロゴが入った黒パーカーを購入。ホクホク顔をしていると「本当に買うと思わなかった」と遠藤。石油王の戯れに歯を食いしばる庶民。
屋外に出ると、スケートリンクが設置されていて、たくさんの人が滑っていた。その目の前にあったコーヒーショップで休憩。またレジでそのままエスプレッソを飲んでる人がいた。席に座ると席料を取られるお店もあるとのこと。どっちか分からなかったが、とりあえず座りたかったので席に座る。特に追加料金は発生しなかったので良かった。
コーヒー店のすぐ裏にはスーパーマーケットがあったので入ってみた。昨日行ったスーパーよりは少し庶民的で、実際に近い生活の雰囲気があって面白い。入り口ではサンタクロースの恰好をした人が一緒にチェキを取ってくれるサービスをやっていた。小さな子も含め、誰一人そのサービスを受けている人はいなかったので、挑戦してみた。たまのお客さんに、サンタも嬉しそう。無事に良い感じのツーショット写真を撮ることができた。遠藤はよく使うスーパーらしいが「撮ってる人初めて見た」とのこと。あんまりよく撮影できたので、記念に遠藤の家に置いてきた。
いよいよ今回の旅の目的地であるスコットランドへ向かうため、リナーテ空港へタクシーで向かう。リナーテ空港はマルペンサ空港より小さくて、国内線やヨーロッパ諸国への便が中心とのこと。
ここでも世界を股にかける新世界の神、遠藤氏のステイタスがさく裂。空港のラウンジを使うことができた。ラウンジでは食事も食べれるしアルコールもある。最高だ。無料のポテチ数袋を持ち帰るという神らしからぬ行動もあったが、そのような庶民的な感性も持ち合わせていることで、将来目論んでいるという政界進出についても視界良好といえる。
ヒースロー空港までは約2時間。そこで乗り換えてグラスゴー空港まで1時間半ほど。近い。ミラノはヨーロッパの中央に位置しているので、色々な国に行きやすいとのこと。遠藤も駐在中はなるべく色んな所に旅行にいくようにしているらしい。マイルが溜まって仕方ないだろう。友人の義母がハイクラスのラウンジに入るために沖縄を日帰りで往復していると聞いた。マイル修行と言うらしい。遠藤は既に修行を終え、高僧として君臨しているのだ。
グラスゴー空港に到着して、外はもう夜。空港にはレンタカー屋が迎えに来てくれた。そのバンに乗ってレンタカー屋へ。車で7,8分ほどだ。辺りは真っ暗。あまり栄えている感じはしない。レンタカー屋も広い倉庫のような場所にポツンとあり、そこだけ灯りがついている。
中に入ると赤いベストを着た陽気な黒人男性店員が、陽気な接客をしてくれた。色々話しかけてくれたが、僕はところどころしか理解できず、遠藤に任せた。
車は一番安いのがfordの一番小さいVitzみたいなやつ。ハイランド地方への長距離ドライブの予定を教えたら、一つ上のグレードのベンツAクラスをやたらと薦められたけど、値段重視で断った。
で、準備された車はベンツAクラス。値段はサービスでそのままでいいらしい。なぜだ。遠藤は「fordが無かったからだと思うよ」という。人の優しさを信じることができない、現代社会が生んだモンスター、それが遠藤。
やたらと「googleの店舗評価に僕の名前を入れて★5つけてくれ」という店員に「わかったよ」と言う遠藤。店を出て「評価しないの?」と言うと「しない」という。特に理由は無いらしい。面倒なのだろう。恩を仇で返すことで成り上がる、資本主義の歪みの象徴、それが遠藤。
借りた車でホテルへ向かう。僕は海外免許が無いので、運転は遠藤だ。イタリアではよく運転しているとのことだが、イタリアは右側通行&左ハンドル社会。一方、スコットランドは日本と同じく右側通行だ。借りた車も右ハンドル。ハンドルを握りながら遠藤は「イタリアは左側通行だから違和感が凄いわー。右ハンドルも慣れないし。違和感が凄いわー」という。
心なしか目が寄った地獄の遠藤とのドライブを終え、無事に「HALLMARK HOTEL」に到着。周りは何もない。霧も凄いし、真っ暗で港湾地区の倉庫のような景色に、「大逆転裁判」を思い出した。
チェックインを終え、部屋に行くとまさかのシングルベッドだった。フロントの方はおそらく完全にそういう関係の2人だと思っていたのだろうが、顔には出さなかった。多様性の時代だ。部屋は狭くなってしまうが、幸い空いているツインの部屋があり、そちらへ移った。
もう夜だったが、ちょっと街を歩いてみることにした。グラスゴー駅まで徒歩5分程度。ホテルから大きな通りに出ても、全く人気が無い。クリスマス恐るべし。古い建物一面に落書きがされている。霧と街灯で異様な空気になっていて格好良かった。
駅前のバーが一見だけ空いていたので、そこに入った。「The Sir John Moore」という店。ビールの種類がとても豊富。キャッシュオンで気軽な感じ。ビール一杯と、さしてうまくないポテトサラダ食べて帰ホテル。
12/25 ネス湖の近隣住民にビビられる
朝8時半頃、遠藤運転でホテル出発。この日はネス湖を最終目的地としたハイランド湖水地方の旅だ。「ハイランド地方は景色がきれい」というのが有名だが、この日も安定した霧。濃霧。視界不良。
朝ごはんは途中のマークアンドスペンサーで何か挟まったパンを購入して食べた。日本のコンビニより高いが、具が多くておいしい。プチシュークリームも食べた。甘くておいしい。
ひたすら(遠藤が)運転すること1時間半。湖があったので、降りて撮影。観光地なのだろうか。一応観光用の説明板もあって「Aldochlay」と書いてある。肝心の観光客の姿は見当たらない。自転車乗りが1名いただけだった。湖畔には昔ながらの家もあって、とても良い雰囲気だ。場所はこのあたり。
遠藤はカメラも得意なので、インスタ映えさせては良いねをもらって調子に乗っている。ここでも家の写真や湖の写真を撮っていた。僕も色々撮影してみたが、あまり上手に撮れない。「なかなか上手く撮れないなあ」と言うと、「申し訳ないけど、構図はセンスだよね」と語る遠藤氏。謙虚な気持ちは茨城の実家でお留守番のようだ。
一応インスタに上げとこうと思って、曇っている湖とブイを撮影したら、空の色と湖の色がどっちかわからなくて面白かったので、さかさまにしてアップした。すると、遠藤に「さかさまはルール違反だろ」と言われた。そんなルール聞いたことなかったが、ここで反論して置き去りにされたら困るので、グッと堪えた。
更に少し進むと、小さな町があったので、立ち寄ってみた。少し入ると明らかに歴史がありそうな教会を発見した。先ほどの湖と同様に観光客用の看板があり、「Luss Parish Church」と書いてある。教会の建物のまわりはお墓が立っていて、中からは礼拝の声が聞こえていた。僕が今まで見た教会の中で一番地域密着&教会っぽい教会という感じがした。場所はこのあたり。
教会の脇の道を過ぎると、ここも湖だ。さっきのところと繋がっている。湖畔にも小さなお店があったが全て閉まっていた。観光客と思しき(僕から見て)外国人男性2名が散歩しており、ニコやかに「よいクリスマスを」と言ってくれて嬉しかった。
近くをもう少し散歩してみることにした。教会の裏手には異様に水が澄んだ小川が流れていて、そこに小さな橋が架かっている。それを渡ると、謎のオブジェがある広場に出た。広場では、黒い犬を連れたおじさんが散歩していた。「かわいいですねー」的な会話をして犬の頭をなでると、ノってきたおじさんは犬に指示をだし、指示を受けた犬が凄いスピードで走ってきて膝上ほどの高さの柵を越えるという芸を3回見せてくれた。凄い。
旅先での人との出会い。一期一会。これこそが旅の醍醐味。お礼を言っておじさんと別れた後、美しい人との触れ合いに僕が胸を打たれていると、遠藤の第一声は「手洗いたい」だった。犬も本当は触りたくなかったが、おじさんが完全に犬を触る雰囲気を作ってきたので仕方なく撫でたという。「旅慣れた」という言葉だけでは解決できない人間味の無さである。しかし、ここでそれを指摘して車を降ろされたら死ぬ僕は、黙りこむばかりであった。
広場にあったオブジェには「Pilgrimage Pathway Project」と書いてある。この地域は1500年前からキリスト教の巡礼地で、毎年およそ75万人の訪問者がいるとのこと。歴史ある古代集落ということだ。
この時点で10:30。この日は日帰りでグラスゴーまで戻らなくてはならないのであまり時間が無い。ネス湖は遠いのだ。正直遠藤がちょこちょこ「ネス湖もうよくない?」的な空気を出しているのに気付いたが、心を鬼にして黙殺した。
最後の寄り道として、遠藤アンテナに引っかかっていた「キルカーン城(Kilchurn Castle)」という古城を見ることにした。
ドライブ中の景色はさすがに見飽きてきた。よく見られるのは牧場だ。腰のあたりに着色された羊が放牧されている。牧場ごとに色分けされているのだろうか。たまに一匹だけ色違いが混じっちゃってたり、普通に道路を歩いていたりして心配になる。
30分ほど車にのって、古城近辺に到着した。本当に何もない場所で、霧もあってさみしい雰囲気。駐車場がものすごく分かりにくくて、看板も無いので一度通り過ぎてしまった。駐車場には他に車が1台だけ。その車の持ち主も丁度城方面から歩いて帰ってくるところだった。いよいよ我々だけだ。
木が茂った遊歩道を3分ほど歩いて抜けると、小さな小屋があった。どうやらお土産屋らしい。当然やっていない。草原の間から長い一本道が伸びていて、その先に遠く城が見える。見渡す限り誰もいない。そこから10分ほどぬかるんだ道を歩いて、ようやく城まで到着した。
途中「ハイランド牛には触るな」みたいな看板があった。日によってはもしかするとハイランド牛もこのあたりに現れるのかもしれない。と思って画像検索したら出てきた!これは見たかったなあ。
城は廃墟で、かなりボロボロ。事前に城の写真は見ていたが、晴れた写真が多かったので大分雰囲気が違う。また、インターネット上の写真は城を取り囲むように存在するオー湖という湖を挟んで対岸から撮影されたものばかりで、僕らが見ているように近い場所から撮影されたものは無かった。風景としては対岸の方が良いのかもしれないが、個人的には近づけて良かった。人が誰もいないこともあり、神秘的だった。上のインスタの画像と比べると少し右上が違っている。また新しく崩れてしまったのかもしれない。
城の裏側に回るとすぐ湖があった。「バーベキューすんなよ」的な注意書きがあったが、ここでキャンプとかバーベキューをしてみたい気持ちも分かる。C.W.ニコル感が凄そう。遠藤が僕と城の写真を撮ってくれるというのでお願いした。そこらへんに落ちていた1mくらいの棒切れを持ってしばらくポーズをとったが、結果、撮影されていたのは動画だった。笑う遠藤。イジメかどうかはイジメた側が判断することではない。イジメられた側がどう思うかである。つまりこれはイジメである。
城から一本道をまた帰る。途中、デカイ鹿がいた!と思ってびっくりしたけど、木だった。
城を脱出し、車で再出発。ここからはひたすらドライブだ。相変わらず羊は多いが、景色は草原だったのが、山になってきた。タイムラプスで撮影したりして暇つぶし。
ほぼ歩いている人を見かけないので、人が集まっていると気になる。山間を走っていると、人がチラホラ集まっている場所があったので、降りてみた。看板を見ると「The National Trust for Scotland」と書いてある。高校の社会の教科書に書いてある、ナショナルトラスト運動というやつだ。「景色がスゴイ山脈地帯」くらいの感想しかなかったが、帰って調べたら1962年に「グレンコーの虐殺」という結構な歴史的事件が起きた場所だった。詳細はwikipediaに載ってるので省略するが、要約すると、当時ハイランド地方の人たちとイギリス人は敵対していて、そんな中でグレンコー村を調査名目で訪問したイギリス軍。敵対関係の兵隊達を村人は慣習に則って2週間ほど滞在させてもてなしたら、裏切られて虐殺された、という事件。ヒドイ。
山間部を抜けて、ひたすら車で北上していく。羊にも慣れた。代り映えのしない風景を1時間半ほど走って、ようやくネス湖(Lock Ness)に到着。湖水地方というだけあって湖ばっかりの所をドライブしてきたので、見慣れた湖の1つという感じだ。が、小さな頃からUMA好きな僕からすると、やはり特別な場所。ネッシーのいる湖なのだ。
A82道路が湖の西側を通っているので、南側から入ってネス湖を右に見ながら北上していく。憧れのネス湖。水面は穏やかで、時折薄い線のような波が立っている。ネッシーに見えなくもない。いや、ネッシーだったのだろう。湖の脇で記念撮影。昔読んだ本では散歩中の犬がネッシーに引きずり込まれたという話も載っていたので、十分注意した。
しばらく行くと、ネッシー記念館があった。当然だがクリスマスでお休み中だ。残念だが仕方ない。ネッシーのオブジェだけでも見たかったので、しばらく探し回る。あたりに人気は一切ない。記念館の外には、ネス湖を探索した潜水艇が展示されていた。が、オブジェはなさそうだ。
しばらく歩いたが見当たらない。途方に暮れたが、偶然家から出てきた近隣住民を発見した。20代くらいの女性2人組だ。遠藤はもうどうでもよくなってるので、僕が行くしかない。柔和な笑顔と渾身の英語で話しかけた。
「Where is a Monster⁉」
2人とも少し困った顔をすると、女性のうち1名が「ちょっと何言ってるかわからない」ということを言い残し、家の中へ逃げるように入ってしまった。なぜだ。
手掛かりは潰えた。遠藤がスマホでもう一度調べると、どうやらオブジェは記念館の中らしい。ネス湖近辺に住む女性に無用の恐怖を味わわせただけとなってしまった。
記念館の隣には「NESSIELAND」という建物もあった。廃墟っぽくなっていたり、僕が探していたのとは別のハリボテっぽいオブジェがあって、B級感が強めだ。好きなタイプ。
あたりは既に暗い。腹も減ったから何か食べたいが、クリスマスだから店が開いていない。どこかやってる店は無いか。探しながら車で走ると、フィッシュアンドチップスの店があった。Drum Takeawayという店。選択肢がないので迷わず入る。
中では中東系のおじさん店員が1名で切り盛りしていた。食べるスペースはなく、持ち帰り専門のようだ。お店の中では5人家族が出来上がりを待っていた。僕らはオーソドックスにフィッシュ&チップスを注文することにした。20分ほど待って、ついに食べ物をゲット。車に戻って食べる。ものすごく油っこいがフィッシュはうまい。白身うまい。あとは帰るだけ。
同じ道をそのまま帰るのもつまらないので、一度北上してインヴァネスという町を通って、そこからパース経由で帰る。困ったことに、道が変わっても景色はほぼ変わらない。というか真っ暗だ。ネス湖を出たのが18時。コーヒーを飲んで一息つくような店すら無い。無いことはないんだろうが、開いてない。
ドライバー遠藤の疲労は限界だ。僕の軽快かつウィットに富み、知的かつ多彩な話にも、「そう…」という、綾波レイ程のリアクションしかなくなってきた。3時間くらい車で走ったところで、灯りがついているスタバを発見。この店。「灯りだけで、店はやってないだろう」という遠藤を車内に残し、店の様子を見にいく。店内を覗くとお客はおろか店員もいない。ダメかと思いつつ入口のドアを開けて「エクスキューズミー!!!」というと、奥から店員が1人出てきた。開いてたのだ。スターバックスイズオープンナウ。奇跡。遠藤を車に呼びに行き、つかのまの休憩。ここで遠藤に、僕が一杯のコーヒーをおごったことだけは一生忘れてほしくない。
グラスゴーのホテルに戻り、町を少し歩いてみた。クリスマスだから、お店はやっぱりやっていない。グラスゴー駅のガード下を歩いたら、信じられない量のウ〇コが閉まったお店のシャッターの膝くらいの高さにぶっかけられていた。人なのか、何らかの獣なのか。それは些細なことだろう。異常なことに違いは無いのだから。
昨日と同じバーが開いていなかったので、向かいのホテルの1階にあるおしゃれバーへ行った。ホテルと同じ名前のビールがあったので飲む。クセ強めだったが、美味しかった。
12/26 カード紛失。それでもゆけゆけレンジャーズ。
特に予定を決めてはいなかった日。どうやらサッカーのスコットランド1部リーグ(スコティッシュプレミアリーグ)の試合があるという。
グラスゴーをホームとするチームは2つ。かつて中村俊輔選手が所属していたセルティックとレンジャーズだ。ミーハー的にはセルティックが見たかったが、残念ながらアウェーゲーム。レンジャーズがホームで試合だったので、そちらを見にいくことにした。しかも、レンジャーズの監督はあのスティーブン・ジェラードだ。見たい。
ただ、オンラインではその試合のチケットが既に売り切れ表示。ダメ元で朝一でレンジャーズのホームスタジアム「アイブロックス・スタジアム」へ。倉庫街みたいなところに路駐し、スタジアムに併設したチケットセンターに入る。券売所にいたレンジャーズネクタイを締めた若きイケメン職員に遠藤が「チケットある?」と聞いたら、あった。普通に買えた。ゴール裏近辺もまだ残っていたが、さすがに死ぬだろうということで、ベンチ裏の少し上がったあたりの席にした。30ユーロ。
チケットが買えてホッと一息。近くにオフィシャルショップがあったので、見てみることにした。オリジナルグッズがたくさん。レンジャーズのマスコットはクマらしい。僕はステッカーを買うことにした。
レジに行って、異変に気付いた。昨日まで使っていたクレカが財布の中に無い。なぜだ。一応もう一枚クレジットカードは持っていたので、それで支払いを済ませる。車に戻って席を調べたが、無い。ホテルに戻って部屋も調べたが、無い。記憶をさかのぼると、最後に使ったのは前日のスターバックスだ。それで最後。
結局これ以上探せない&財布はあるから摺られたのでは無いということで、詳細は省くが遠藤の助力もあり、速攻カードストップ。前述のとおりカードは予備があったので傷は浅いが、メンタルに傷を負った。作ったばかりの僕の楽天カードマンはスコットランドのどこかに今も眠っている。
「遠藤にコーヒーをおごった際に紛失したのであれば、遠藤が悪いのでは」というご意見もあるかもしれないが、遠藤に全ての責任を負わせるのは酷である。なぜなら、その際僕も一緒にコーヒーを飲んでいるから。責任は最大でも半々。それが大人の考え方というもの。罪を憎んで人を憎まず、だ。
試合まで時間があるので、グラスゴーを散策することにした。
まずはご飯だ。お腹が減った。遠藤曰く「FIVE GUYS」というハンバーガー屋が最近ヨーロッパで店舗を増やしているとのこと。でも、ミラノにもあるというので、折角だからここだけのやつを食べることにした。FIVE GUYSのある通りはハンバーガー屋が4店舗ほどある激戦区。その中で、一番口コミ評価が高かった「BREAD MEATS BREAD」という店に入った。グラスゴーに2店舗、エディンバラに1店舗あるらしい。
チーズバーガーみたいなのを食べた。結果、めちゃくちゃうまかった!肉もパンもうまい。語彙が無い。二人とも無言で食べきった。美食家として名をはせる遠藤氏にとっても、「いままでで1番かも」と言わしめるほどだった。食に関する遠藤の言葉はミシュランより重い。
グラスゴーのメインストリートを歩くと、昨日とはうって変わって人がメチャクチャいる。こちらではクリスマスが終わるとセールが始まるらしく、どの店舗も大規模なセールをやっていた。日本の新春セールみたいなもんか。
セルティックショップがあったので、入店。またしてもステッカーだけ購入した。レジェンド中村の何かがあるかと思ったが、特に何もなかったのが残念。服や靴のお店をプラプラするも、特に何も買わなかった。序盤に遠藤にだまされてNASAパーカーを買わされたのが完全に心の傷になってしまって、怖くて何も買えないのだ。PTSD。
しばらく歩いて、Cafe Napoliという小さなコーヒー屋でエスプレッソ休憩をしたあと、有名だという古着屋通りへ。3店舗が並んで営業している。向かって一番左手の黄色いお店「Mr Ben Retro Clothing」は、軍ものとバンドTシャツが中心。メタルやハードロックを中心に充実していた。真ん中の店は「Minted」。古着もあるけど、オリジナルも置いてあるセレクトショップ。3店舗の中では一番洗練されている感じがした。そして一番右。「ill Fortune Vintage Clothing」多分一番マニアック。サッカーコーナーには、20年以上前のJOMOカップのユニフォームを含む、古いJリーグのものがいくつかあった。こんなもん日本でも売っていない。
僕はご存知PTSDなので買わなかったが、遠藤は黄色い店でミッキーマウスのTシャツを買っていた。結構柄がかすれていたが、それが良いらしい。「俺のためにここまで育ててくれてありがとうと言いたい」という、生き別れたヤバい父親みたいなことを言っていた。
古着屋を出て、また散策。店の前に犬がいるレコード屋が気になったので、入ってみた。「Record Fayre」という店。店主は白髪で背の大きいおじいさん。小さい店かと思いきや、奥にはメタル・ロックTが超充実した部屋があって驚いた。あとは、カセットテープが沢山売っていたのが印象的。
そろそろ時間だからスタジアムに向かいたい。遠藤がUberで行こうと言い出したので、そうした。僕は使ったこと無かったが、車を運転した普通のおっさんが現れ、僕らをスタジアムへ連れて行ってくれた。便利。
スタジアムのまわりは人でごった返していた。レンジャーズのホームだけあって、ユニフォーム、マフラーなど何らかのレンジャーズグッズを身に着けている人がたくさんいる。道端でプログラムを売っていたので購入した。選手紹介のほか、ファンの子が特集されていたりして面白い。タオルマフラーやユニフォームの露店もたくさん出店されていて、活気があった。
入口が分からなくて苦労したが、何とか席を見つけた。サッカー専用スタジアムなので、グラウンドまでの距離はかなり近い。一番下まで降りれば、ピッチのすぐ脇だ。そこで遠藤とおじさん同士で写真の撮りあいをしていると、近くの子連れのお父さんが見かねて「撮るよ」と言ってくれた。嬉しい。そのお父さんの子供2人も一緒に入ってもらって、写真を撮った。
席に戻る。周りはあんまり若い人はいなくて、年配の人が多い感じ。待つこと20分ほど。出てきた「生ジェラード」。結構遠いが、僕らより1歳だけ年上のレジェンドは、激しいイケメンオーラを放っていた。スタイリッシュ。
試合が始まる。スコットランドリーグと言えば体のぶつけ合い、ゴリゴリのサッカーというイメージがあったが、そのイメージ通りだった。肉弾戦サッカー。組織的に崩していく作戦ではなく、ドカ蹴りが多めで、ピッチの外にボールがよく出る。近くで見るハイボールの争いは見ごたえがあったが、パスがつながらないし、試合としてはあまり面白くなかったのが正直なところ。また、ボールタッチも荒めの選手が多かった。この中に中村俊輔がいたら、それは特別だろうと思う。
サッカーの内容は置いといて、面白かったのは観客。開始早々にレンジャーズの選手が倒されたとき、マジで周りにいた全員が立ち上がって手を挙げて叫んでいた。右隣は比較的小奇麗な恰好をした中年男性だったんだけど、行動は同じ。ブチ切れている。マジで「ファックユー」って言う。普通に言ってた。遠藤がめちゃくちゃ上手に動画に収めていたので、ご紹介。
【遠藤のinstagram。最後の動画に注目※音量注意】
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レンジャーズが2位、相手のハイバーニアンは下位のチーム。ほぼレンジャーズが攻め込んでいるような状態の前半。右サイドからのドリブルシュートがゴールになって、レンジャーズが先制。めちゃくちゃ盛り上がる客。
いい雰囲気のまま迎えた後半86分。中盤から左サイドに展開したハイバーニアン。シンプルに中に入れて、ヘディングシュートが決まってまさかの同点。めちゃくちゃ喜ぶハイバーニアンの選手。ガッカリするレンジャーズ。もっとガッカリする客席。喜怒哀楽分かりやすい。結局そのまま1-1で試合終了。
終わったあとはホテル方面に歩く。飲み屋やレストランは大体営業していて、盛り上がっていた。勝ってたらもっと凄いのかな。
住宅街を抜けると、川に出た。大きな橋が架かっていたので、渡る。橋の上からはThe SSE Hydroという大規模スタジアムが見えた。井上尚弥選手が5月にWBSを戦うことになった競技場だ。もちろんこの時点ではそんなことは知らない(決まってない)ので、遠目にチラっと見たくらい。もっと近くまで行って見ておけばよかった。
ホテルに帰るのも面倒なので、そのまま飲みに行くことにした。旅ではビールばかり飲んでいたが、スコットランドに来たからにはウィスキーは飲んでおきたい。クリスマス模様がまだ残る街を抜けて、ジョージ広場のすぐ脇にあるTHE PIPER BARというバーに入った。
一杯目はビール。二杯目はウィスキーにした。店員さんにオススメくださいと言ったら、「JURA 10年」というやつを出してくれた。足の短いワイングラスのようなコップに入ったストレートのウィスキー。そして、一緒に出されたのは水の入った小さなビンと、スポイトだ。何に使うのかは分からなかったが、とりあえず席に戻る。
ストレートで飲んでみた。飲んだことない銘柄だったが、甘い&まろやかでおいしかった。ただ、ストレートはさすがに強かったので、便からスポイトで水を全力で吸い出し、ブチューとグラスに入れた。水割りだ。おいしい。甘みが増した気がする。
「うまいうまい」としばらく飲んでから、何となしにスマホで「ウィスキー スポイト」で検索してみた。すると、「ウィスキーは水1滴たらすだけで味が変わるから、その変化を楽しめ」と書いてありました。もう少し早く知りたかった。
お腹が減ったので、お店を出て食事へ。駅の近くへ戻る。朝食べたハンバーガー屋のとおりにあるメキシカンへ行くことにした。「topolabamba」という店。店内に入ると、かなり混んでいる。店員さんに「あそこで待っててくれ」と言われた先はお店の中ほどにあるバーカウンター。店員の指の先に全くスペースが無かったので、仕方なく端っこの食器片づけたりする場所の近くでビールを飲みながら待つことにした。腹がとても減っていたので、すごく長く感じた。多分20分ほど待った。待っただけあって、料理はめちゃくちゃおいしかった。タコスとナチョス。ビールが進む。とうもろこし料理もおいしかった。今回の旅は味の濃いものが多くて良い。ジャンクの旅。腹満タン。
安定の初日と同じバー行ってから帰ホテル。
12/27 エディンバラ城はスルー&俊輔
今日はエディンバラ観光の日。スコットランドで観光といえばエディンバラ。グラスゴーより見所が多そうだ。また遠藤運転で出発。
エディンバラ直行ではなく、一つ観光名所を挟む。橋だ。大きく、変な形の橋。フォース橋という。グラスゴーから車で1時間チョイで到着。小さいお店が並ぶ小綺麗な商店街を抜けると、大きな橋が見えた。DNAの螺旋をほうふつとさせるヘンな形だ。
干潮のタイミングのようだ。車を停めて、橋の近くまで行ってみる。濡れたコケで足元が滑って怖いが、何とか橋の足元までいくことができた。10分に1本くらい列車が橋の上を渡っていく。面白い光景だ。
車に戻って、エディンバラへ向かう。途中、なんか変な馬の巨大オブジェが高速道路上から見えた。時間が無くて寄ることは叶わなかったが、次来ることがあれば是非見たい。ケルピーという川に棲む馬の妖怪みたいなものらしい。
エディンバラに到着。グラスゴーはビジネス街で高い建物もあり、ゴチャっとして景観も微妙だったが、エディンバラは違う。歴史のある建物、街並みにも清潔感があった。人も車もにぎわっていて、駐車場所を探すのに少し苦労した。
何とか車を止めたけど、小銭で前払いするタイプの路駐で、手持ちの小銭だと2時間くらいしか時間がない。お腹が減ったのでプレタマンジェとかいうカフェでサンドイッチとスープ食べてコーヒー飲んだ。この旅における「食」」の優先順位の低さと言ったらない。
腹が満たされたので、有名なエディンバラ城に歩いて行ってみることにした。お城は丘の上の高いところに建てられている。途中なんか細い階段を通ったらショートカットできたようで、城の近くに上がる事ができた。
エディンバラ城までの道は幅も狭く、少し坂になっている。両脇には背の高い建物。そこを抜けると広場になっていて、その先にエディンバラ城があった。入り口からは人が列を成している。なんだかすごく待つことになりそうだ。2,3分並んでみたが、進みは遅いし、駐車場のリミットも近い。「見なくていいだろ」という結論に達したので、引き返した。
近くにウィスキー博物館があったので、寄り道。昨日飲んだJURAがあったが、調べたら日本でも買えそうだったから買わなかった。重いし。
さっき来るとき上がってきた階段のすぐ脇には、伝統的衣装に身を包んだおじさんがバグパイプを吹いている。コインをあげると一緒に写真が撮れるようなので、コインを容器に入れて写真を撮った。バグパイプの音楽はFFを思い出すし、懐かしい感じがするので好きだ。
スコットランドは毛糸製品が有名らしく、いたるところにセーターやストールの店があった。Johnstonsというブランドが有名らしい。遠藤氏の進めによりお土産用のストールを1つ購入した。NASAのパーカーと同じくまた騙されたかと思ったが、遠藤も自分のお土産を買っていたので一安心。一瞬たりとも気を抜くことは許されないのである。
一度駐車場に戻ってコインを追加投入し、再度出発。
クリスマスは過ぎたがまだイベントやっていた名残がある。広場にスケートリンクがあって、みんな楽しそうに滑っていた。あと、後楽園にあるようなかなりの高さのブランコみたいな遊具があった。どうやらこれも特設。特設の規模がスゴイ。
スコットランドの銘菓で「ファッジ(Fudge)」というのがあるのをご存知だろうか。砂糖と練乳とバターが主原料の甘いお菓子。「Fudge House」という有名なお店があるというので行ってきた。
試食させてもらうと、素朴な味わいの生キャラメルみたい。おいしい。マカダミアナッツと後なにか忘れたけど4本くらい買った。特筆すべきは店員の女性。とてもかわいらしい顔で、この度一番グっと来た。スコティッシュプレミアム。
近くのカフェで小休憩。ビールを一杯。Hop House 13 Lagerというのを飲んだ。のどが渇いていたので、おいしい。
少し休んで散歩を続ける。アダム・スミス(Adam Smith)やデビッド・ヒューム(David Hume)など、教科書で見た有名人の銅像がある。後は、謎のゲートがあったが、これはどんな時につかうんだろうか。誰か教えてくれ。
車に戻り、近くにある丘に行ってみることにした。アーサーズ・シートという。丘というか、山というか。デカイ。そして変な形をしている。観光客の人たちはわりとふもとの方に車を停めて、そこから歩いているようだ。歩くと時間がかかりそうだから、僕らは車で行けるところまで上がってみることにした。結果、かなり上の方まで車で行くことができた。路駐して、徒歩で少し登ってみる。眺めは微妙だが、景色は開けていて気持ちが良い。一番先っちょまで行けば眺めは良いのだろうが、かなり遠そうだったので、そこまで行くのは諦めた。
車に戻って、また別の丘に行く。カールトン・ヒルというところ。またしても車を停めるところに難儀した。ここはコインを投入するタイプじゃなくて、アプリで支払うタイプ。初めてのタイプで戸惑ったが、遠藤がアプリをDLして決済できた。
カールトン・ヒルも小高い丘。見晴らしがよい。エディンバラの市内もよく見渡せるエディンバラは上から見ると結構大規模な開発があちこちで行われているようだ。市内にいると意識することはほとんどなかったが、海もとても近い。さっきまでいたアーサーズ・シートもよく見える。丁度夕日が沈む時間で、とてもきれいだった。
丘の上にはコーヒーショップもあったので、またコーヒーを飲んだ。うまい。
エディンバラ観光はここまでにして、グラスゴーに戻る帰り道。「そういや、セルティックスタジアムどうする?」という話になる。セルティックのレジェンド、中村俊輔選手がスタジアムの壁に描かれているというのを見にいきたいという話になっていた。Numberに載ってたやつ。できればオフィシャルショップも見たい。この時点で16時前。明日行くのでもいいが、帰り道だし、寄れるなら寄っちゃいたい。行ってみることにした。
スタジアムには17時過ぎに到着。既に辺りは真っ暗だが、幸いなことにオフィシャルショップはやっていた。結構広い。グラスゴー市内のショップよりも品ぞろえは当然多かったが、中村俊輔グッズも無かったし、特に何も買わなかった。
目的の「レジェンド壁画」を見にいく。スタジアムに向かって左てに時計回りに歩き出すと、クラブの栄光の歴史的な巨大写真が貼ってあった。往年の名選手ヘンリク・ラーションの写真もある。それを過ぎると、Numberっぽい選手がズラっとした写真があった。急いで中村選手を探すも、どこにもない。なぜだ。もうレジェンドじゃなくなったのか。でもよく見ると、ここにいる選手たちは結構昔の人っぽい。ユニも古そう。
そのまま時計回りに進んでみることにした。試合日でもないし、スタジアム脇の道は人が全然いない。
5分ほど歩くと、またレジェンドずらりの壁があった。
そして、その端っこに…
ちょっとライトが暗くてわかりにくかったが、間違いなく中村俊輔だ。遠く異国の地で壁に描かれるほどの活躍をした男。凄いなあ。
グラスゴーに戻り、遠藤おすすめの「END」というセレクトショップに行ったりした後、夜ご飯。行こうと思ってたステーキハウスが満席だったので、「CHAAKOO」というカレー屋にいった。インドはイギリスとも縁があり、カレーは結構美味しいらしい。実際、とても美味しかった。
グラスゴー最後の夜。初日と同じバーへ行って一杯飲んで帰ホテル。
12/28 さらばグラスゴー、永遠に
朝起きる。今日でこのホテルともおさらばだ。部屋の窓から見えるおじさんの落書きも今は愛おしい。
ストラスクライド大学の近くまで歩き、Tim Hortonsとかいう店でやる気なさそうな店員が淹れた甘過ぎるカフェラテを飲んだ後、グラスゴーを観光する。この辺りには壁一面に絵が書いてある建物がいくつかあった。見事な出来栄え。一応ちゃんと合法なアートとのこと。描くやつも当然凄いが、「描いていいよ」という方の心意気が凄い。僕もいずれ自分のビルを買ったら、そこらへんのアーティストに「描いていいよ」と言える人間になりたい。
グラスゴー大聖堂を観光。何が描いてあるかよくわからなかったが、荘厳な雰囲気は伝わる。大聖堂はいつもだいたいそんな感じだ。ステンドグラスは分かりやすく凄い。
ところで僕は年間300日程度をGパンとTシャツ(+冬はパーカー)、スニーカーで過ごす男である。スーツはおろか、チノパンも履かない。ちなみに残り65日は短パンを履いている。旅の最中に遠藤氏より「いい大人なんだからもうちょっとしっかりせい」というガチアドバイスを貰ったので、もう少し年相応の格好をしてみようと決意した。
そこで、せっかくスコットランドに来たので、革靴を買うことにした。遠藤が、ハンバーガー屋近くの靴屋が良さそうだと言うので、そこに行った。色々検討した挙句、黒いブーツを1足買った。
革靴購入を済ませると、前日満席で諦めたステーキ屋に再チャレンジ。昼でもかなり混んではいたが、この日は入ることができた。かなりの人気店の様子。実際めちゃくちゃ肉が美味しかった。
車をレンタカー屋に返す。行きの時と同じ若者が対応してくれた。今日も真っ赤なセーターが眩しい。経由の空港にはラウンジがなかったので、カフェで小休憩。cafe nero初体験をした。クソ甘タルトを食べて胸焼け。
リナーテ空港からタクシーで遠藤キャッスルへ帰宅。ポンド処理で買った瓶ビールで晩酌して就寝。
12/29 サンシーロまでチャリ
明日の朝の飛行機で日本に帰るので、この日が実質僕の旅行最終日。この日は1日ミラノ観光。遠藤にとっては家なので、特に観光ではなく日常。ミランの試合が今日やるっぽいということで、チケット買って見に行くことにした。
朝ごはんはカフェで生ハムパン。
ユベントスショップへ行った後、ACミランショップへ。残念ながらここではチケットが買えないらしい。
そして、イルビゾンテに行った時、ついに遠藤のブラックビジネスの全容が明らかになった。店に入ると女性の店員さんが近づいてくる。どうやら遠藤とは顔見知りらしい。「奥様とよくいらっしゃるんですよ」とのこと。すると遠藤は、店員さん顔負けのマシンガントークで、限定商品の紹介、日本と比べた価格メリットなどを僕に説明する。あまりの勢いに僕は一瞬気を失い、意識を取り戻した時にはキーケースを購入していた。お気づきだろうか。遠藤はこのように、店員と結託した上で日本人観光客を店に連れていき、お土産を買わせるというビジネスをしているのだ。NASAのパーカーを売ってる店も、スコットランドの革靴屋も、きっと後で遠藤にマージンを渡していたに違いない。恐るべし遠藤。ブラック遠藤。みなさまも是非注意されたし。とりあえず僕は大使館に通報しました。
キーケースはベル型で日本には売ってないやつ。本当は遠藤のと同じチャック無しが良かったけど、今はもう作ってないらしい。
昼ごはんは海鮮にした。遠藤おすすめのSapori del Mare という店。住宅街の中にポツンとあって謎の店感があったが、やはり間違いなかった。うまい。おじいさんが一人で来ていて、店員と親しげに話し込んでいた。地元感があってよいな。
チケットを求めてACミラン博物館へ向かう。歩いてたら、草が生い茂ったマンションが。今ミラノで一番高級なマンションとのこと。日本人も住んでるとか。
ACミラン博物館に行ったら、残念ながら閉まってた。でも、試合のチケットは無事買うことができたのでよかった。博物館が閉まっていて時間が余ったので、渋る遠藤を説得し、もう一度市内で観光することに。
団地みたいなところを抜けていく。途中、高架下にリアルなアベンジャーズ見たいなのを発見。気持ち悪い。
スタバの高級店ができたというので行ってみたが、尋常じゃない混雑で入れなかった。「リザーブロースタリー」というらしい。日本では最近中目黒にもできたみたいだ。
長距離歩行して、ヘトヘト。試合の時間も近いので、遠藤城に一度荷物を置いた後、サンシーロへ向かうことにした。遠藤に「サンシーロまでどうやって行く?」と聞くと「チャリがいいと思う」とのこと。ミラノでは主に2社の自転車レンタルサービスが展開されていて、そのうち1社はどこに乗り捨ててもOKという。アプリで自転車の場所がわかる。便利。遠藤の家の近くにも問題なく2台乗り捨てられていたので、それに乗ってサンシーロへ。自転車でサンシーロ行けるってすごいよなあ、と思う。そりゃミランの選手も住むわ。
サンシーロの脇まで行って、自転車を乗り捨てる。今日のミランの相手はSPAL2013というところ。昇格したばかりの下位チームだ。だからあんまり混んでないかなと思いきや、やっぱりすごい人混みだった。腐ってもミラン。途中、SPAL2013のサポーター集団が入ってくる時は通行人を止めて、喧嘩にならないよう配慮されていたのが印象的だった。
ミランはチーム状況はあまり良くなくて、連敗中。ストライカーのイグアインも全然点が取れない。監督がガットゥーゾで、負けたら解任もあるような緊張感のある状態らしい。
お腹が減ったので、外にあるハンバーグを挟んだパンとビールを飲んでから、スタジアム内へ。サンシーロは前回の旅行ではスタジアムツアーで中に入っただけ&芝張り替え中だった。ちゃんとサッカーを見るのは初めてだったので、楽しかった。
席はそんなにグラウンドと近くはないが、見やすい席だった。
試合開始。さすがにスコットランドとはレベルが違うのが一目でわかる。特にミラン。腐ってもミラン。SPAL2013とは戦力にかなりの違いがありそうだ。「こりゃミラン楽勝だな」と思ってたら、SPALが先制。ロングボールからFWの選手がうまくボールを収めて強引に打ったシュートがDFの足に当たってゴール。スタジアムはマジでとんでもない雰囲気に。
ただ、さすがにミランもすぐ追いつく。3分後。中途半端なクリアをカスティジェホがかっさらって右上に豪快に蹴り込んで同点。
そこからは全然スコアが動かない。ミランはほぼボールを保持しているし、チャンスも作っているけどフィニッシュが悪い。特にイグアインのボールロスト、判断ミスが目立つ。ただ、ボランチのバカヨコは凄い。ボール全く奪われないし、ボジショニングが的確で、相手のチャンスの芽を摘みまくってた。凄い選手。
ようやっと後半も60分過ぎて、そこまで全く良いところがなかったイグアインがゴール。いわゆる「ごっつぁんゴール」ではある。ものすごい喜びよようでガットゥーゾとも抱き合っていた。僕はそれまでが酷すぎたので「チャラにはならんぞ」と思ってしまったんだけど、サポーターを見るとイグアインコールが起きたり、祝福してそうだったので、まあよいかと思った。点取るのが仕事で、取ったからOKということだ。そのままミランが2-1で勝利。ガットゥーゾの首の皮も1枚繋がって、めでたい。
サンシーロからの帰りはどうしようか。「僕らが乗ってきたチャリは多分もう無いだろう。誰かが乗ってっちゃってると思う。」という遠藤。しかし、奇跡的に僕らが乗ってきたチャリがそのまま2台とも置いてあったのだ。ラッキー。チャリに乗って帰る。サンシーロで行き帰りチャリで帰るって、たまらないなと思う。
12/30 飛行機揺れすぎて恐怖
飛行機が10時台に出発だったので、朝は早かった。遠藤は途中の特急停車駅まで来てくれた。そこで涙の別れ。一人マルペンサ空港行きの特急に乗り込む僕。特にトラブルもなく、無事空港に到着することができた。
空港では免税手続きをしようと思ってたんだけど、窓口がめちゃくちゃ混んでいたので、泣く泣く諦めた。さっさと手続きをして、コーヒーとパンの朝食を食べて、飛行機に登場した。帰りもワルシャワ経由。
荷物預けようとしたら、重量オーバー。「3キロオーバーしてます」と言われたんだけど、手荷物も結構パンパン。目の前で瓶ビール2本を取り除いて勘弁してもらえた。ありがとうポーランド航空。また乗ります。
苦労しつつも無事に乗り込めた帰りの飛行機。離陸から10分くらいメチャクチャ揺れた。縦揺れならまだしも、結構左右に傾く感じで、今までで一番怖かった。これから長旅なのに、序盤で汗だくになってキツい。ポーランド航空2度と乗りたくない。
ワルシャワ空港はそんなに大きく無いけど、ジャムとかパンに塗る系の美味しそうなものがあったので、お土産にいくつか購入した。帰ってから食べたけど、とても美味しかった。はちみつが安かった。行きに気になってたお皿類は結構高くて、「これなら日本で買えばいいや」と思って買わなかった。
まとめ
久々に遠藤とがっつり旅行できて楽しかった。マレーシア以来か。なんとなくお互い生活も変わって楽しめなくなるのかもしれないと思っていたが、特にそんなことも無く、前回同様楽しめた。言葉の面のみならず遠藤がほぼ全部アテンドしてくれたので、ノーストレスで楽しめた。
革靴はまだ頑張って履いているのと、キーケースも活躍している。
そういや、「2月に久々に東京行くから連絡する」と言っていた。しかし、これを書いている2/28現在、連絡は無いので、残念ながらもう死んでると思う。いい奴だった。
次はいつかな。