小田原に移住したよ。

小田原移住日記

唐突な転職で小田原に引っ越した男の顛末

マレーシアとシンガポール旅行③

<3日目>

朝からタクシーに乗ってロッカウィ動物園へ。

ホテルから車で30分ほど。

入場料は20リンギット(マレーシア人は10リンギット)。

簡単な園内マップを渡される。

どうやらほとんど一本道で,ぐるっと回れば一通り見られるようだ。

開園間もない時間だからか,お客さんはほとんどいない。

一番最初に展示されていたのは鳥。

見たこともない頭をしたカラフルな鳥が何羽か展示されている。

鳥はあまり興味が無かったが,これだけ派手だと良い感じ。

鳥の向かいの檻にはヒョウが転じされていた。

立派なヒョウだったが,薄暗い小屋の奥の方で寝ており,残念だった。

シカを横目にゾウのところへ。

ゾウはむちゃくちゃ大きいのはいなかったが,頭数が多かった。8頭ほどいた。

3頭ほどがじゃれながら水遊びをしている。とても可愛い。

微笑ましく見物していたら、うち2頭がだんだんケンカっぽくなって焦る。

1頭がもう1頭に頭を押しつけて,

牙が刺さっちゃうんじゃないのってくらい頭をグイグイ。

最終的には片方が引き下がり一安心。ゾウを後にする。

次はシカ。

集団でのんびりと暮らしていて、いい感じだ。

子ジカも沢山おりみんなで仲良く餌を食べ,おだやかな時間が流れている。

良い言い方をすればそういうことだが,

一方では「野生」を完全に失ってしまっている状況ともいえる。

いつ危険が迫るともしれない自然界の緊張感を失い,

管理された動物園というぬるま湯にどっぷり浸かってしまっているのだ。

僕はシカの日常に本来あるべき緊張感を取り戻させるべく、一肌脱ぐことにした。

奇声を上げながら奇妙な踊りを激しく踊る俺。

するとどうだろう。

今までのんびり草なんか食ってたシカ達がピタリと動きを止め、

こっちを見るではないか。

遠くの奴もこっち見てる。

その時のシカの写真がこれである。

しか

(遠藤facebookより拝借)

どのシカの目にも,これ以上無いほどの緊張感が宿っている。

気温35度を越え,湿度も高く,太陽が照りつける過酷な環境のなか,

水をかぶったように汗だくで踊り狂った。

あまりの激しい踊りに,先日痛めた右肩をまた若干痛めてしまったが,後悔はない。

シカが,何よりも大切なものを取り戻したのだから・・・

シカを過ぎ,なんか変な鳥とかダチョウを過ぎた後は,念願のマレーグマ。

上野動物園以来の再会となった。

マレーグマは2頭いて,1頭は土管の中で爆睡。

注目は,動き回るもう1頭に集められた。

地面を歩き回った後,バナナを持って木に登り,腰掛けてバナナを食べる。

木の上で食べたバナナを落っことしてしまい,天を仰ぐ。

マレーグマの仕草は人間みたいだ。

土管の中で寝ている1頭に,遠藤が声をかける。

すると,一瞬顔を上げてこっちを見た。

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「おーい」と声を掛け続けると,「うるせーな」とばかりに下の画像のような体勢で二度寝

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ふてぶてしい。

ずっと見ていても飽きない。

時間に限りがあるため,泣く泣く移動。

次はトラだ。2頭いた。

敷地を落ち着き無くグルグルまわり,時折かなりの水圧の小便を木に吹きかける。

あんまり近くから見られず残念。

サルゾーンでは,テングザル,リスザルなどを見ながら,

ジェシーさんに食べられるなよ」と思う。

そしてオランウータン。

オランウータンは広い敷地に住んでいる。

ある一頭がその敷地の端っこの壁際にいた。

壁の上の方では,一人の青年(人間)が,その壁をレンガとセメントで増築する作業をしていた。

すると目を疑う光景が。

その青年の手元が狂い,セメントの塊が下に落っこちたのだ。

座っているオランウータンのすぐ脇に落ちるセメントの塊。

あんまり大きい塊じゃないから,当たっても怪我はしないだろうけど,

管理の行き届いた日本の遊園地ではまず見られない光景だ。

しかし,本当に驚いたのはその後だ。

なんとそのオランウータン,そのセメントの塊を手に持つと,敷地内の堀に移動。

堀の水とそのセメントをぐちゃぐちゃ混ぜると,頭に塗りだした!

なんてこった。頭がカピカピじゃないか。

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満足そうな顔をするオランウータンを見て,その神秘に触れると同時に,

ジェシーさんに食べられるなよ」と思う。

その後,先ほどシカに抜群の効力を発揮した踊りを、牛に対しても披露。

牛にもばっちり注目されるという結果を出した。

得た自信を胸に、先ほどあまりコミュニケーションを取ることができなかったトラに挑んだ。

トラを見られる場所は3つ。

上から見る2階席,ガラス張りの1階席,そして金網の1階席だ。

先ほどは前の2つから見たので、今回は金網の1階席に挑戦。

トラは先ほど見た感じだと,ほぼ動きを止めること無く,

敷地の中をグルグルグルグル歩き回っている。

そのルートの中に,金網に近寄る瞬間がある。

その一瞬に勝負を掛けた。

「ヒョヒョヒョー!」と声を上げながら,先ほどシカを制圧した踊りを繰り出す。

すると,トラも急な敵に驚いた様子で,おそるおそるこちらに近づいてきた。

遠藤,いまだ!シャッターチャンス!と横を見ると,カメラを手に固まっている。

トラが最接近して歩みを止めたのがほんの数秒。すぐに去ってしまった。

遠藤に「撮れた!?」と聞くと,「近いと怖い!撮れなかった!」と。

なんてこった。

もう一度やるしかない。

トラが一周し,またこちらに来た。

先ほどよりも力を込め,反復横跳びを織り交ぜるなどの工夫を凝らし,出迎える。

すると,トラも「これはただごとではない」と思った様子で,

先ほどと同じように一瞬歩みを止めると,じりじりとこっちに近寄り,

なんとその場に座り込んだのだ。

人間が勝利した瞬間である。

遠藤もトラを間近で写真に収める事に成功した。

とら

誤算だったのは,2階席から僕の姿が丸見えであったため,

多くの観光客に目撃されていたこと,その一点のみといえる。

その観光客の子供達は,トラの注目を一身に集めた僕がうらやましかった様子。

既にトラが去った後,僕の近くに寄ってきて,もう一度やってほしそうであったが,

それに応じることはしなかった。

僕は彼らにこう伝えたかった。

「言葉も通じぬ異国の子よ,何事も人に頼ってはいけない,

もしトラの気が引きたければ,自ら事をおこすべし」と。

もう一つの理由としては,あまりの暑さと疲労でゲロ吐きそうだったというのもある。

その後,カワウソの集団行動の統制の取れ具合に驚き,

ニホンカワウソの絶滅を心から嘆いたのち、アニマルショーを見ることにした。

まずはよく訓練された大きな鳥が、指示通りに飛び回る。

すげー。

司会が、小さな蛇2匹を観客席に配置された小箱から取り出し、ちょっとした悲鳴が。

更に大蛇を取り出そうと、客席の大きな箱を開けるが、箱はカラ!

どっかに逃げ出した!大変だ!

しょうもないコントがしばらく続いた後、ついに別の大箱から巨大ニシキヘビ登場。

でけえ。

観客の中から2名が選ばれ、ヘビたちと戯れることに。

一人は、自ら勇ましく立候補した白人のおばちゃん。

もう一人は司会に指名されて無理やりひっぱり出された気弱そうな青年。

おばちゃんはノリノリで、ヘビとの接触を楽しんでいるが、

青年はかなり怯えている様子。

司会が悪ふざけして急にヘビを青年に巻きつけたりしていじり倒す。

途中から青年の表情は怒りに満ちたものになっていくが、

司会のいたずらはエスカレート。

「ブチ切れてしまったらどうするんだろう」と緊張高まる。

すると遠藤が「あいつ仕込みっぽいね。一人で来てるみたいだし」と言い出した。

疑うことしかしらない、現代のストレス社会が生み出した悲しき存在。それが遠藤。

あわれ。

最終的にはその青年はびっくり箱に驚かされ、ステージ上の池に落とされる。

「いよいよ青年も我慢が限界だぞ」というところで、遂にネタばらし。

青年は仕込みで、動物園の職員だった。

ホッとした観客たちの笑顔。

予想が当たった遠藤のドヤ顔でプラマイゼロ。

その後インコのレースやバスケ対決などがあったが、

ヘビの方が大掛かりだったためインパクト弱し。

順番逆にした方がいいんじゃないだろか。

終演後ニシキヘビに触ることができた。この感触は忘れまい。

全ての展示物を見終えた。

出入り口の所にあるお土産屋を冷やかしていると,

ジェシーさんがいた。

前日,「私も明日は動物園に行きます。ガイドの仕事。」と言っていたので,

もしかしたら会うかなとは思っていた。

改めて昨日の御礼を言って,握手をしてお別れ。

便所で手を洗った水だろうか,ジェシーさんの手はしっとりと濡れていた。

タクシーに乗って空港へ。

マレーシアからシンガポールエアアジアで行く。

エアアジアのHPを見ると,機内持ち込みの荷物サイズがかなり厳しそうな印象だったので,

わざわざ小さめのスーツケースを購入して今回臨んだにもかかわらず,

まさかの荷物チェック完全スルーであった。

2時間ほどの飛行機旅で,シンガポールに再度到着。

空港からタクシーでホテルへ向かう。

マンションと緑が立ち並ぶ道をしばらく走り,そこを抜けるとビル街。

シンガポールの経済的な勢いそのままに,

船が上に乗っかったホテル,マリーナベイサンズが有名だが,

それ以外にも暴力的なまでに変な形をしたビルが乱立していた。

アセアーン。

ホテルはカールトンホテルというところ。

リッツカールトンとは別物とのこと。

フロントはめちゃくちゃ豪華な感じだったが,部屋自体は普通のビジネスホテルと変わらない。

コタキナバルのハイアットは部屋でもwi-fiが使えたが,

こちらのホテルはロビーのみwi-fiが使え,部屋では使えないという不親切設計であった。

遠藤と二人ではyoutubeが無いと間が持たん。

部屋に荷物を置いて観光へ。

ホテルの隣にラッフルズホテルという伝統あるホテルがあったので,見学に行った。

中庭にはオープンテラスのバーがあって,セレブっぽい人たちがくつろいでいた。

ショッピングモールにもなっていて,高級ブランドが並ぶ。

海外に行くと何か買わせよう買わせようとする遠藤に細心の注意を払いながら,お店を回る。

visvimのリュックを買わされそうになって危なかったが,決死の思いでやりすごした。

たけー。

カールトンホテルとラッフルズホテルのある交差点に,

ラッフルズシティというショッピングモールがある。

その前の広場のところで,何かイベントがやっていた。

ガラス張りの部屋になったコンテナの中に寝間着の女性が2人。

部屋の中に入ってゲームをすると何か当たるということらしい。

順番待ちの列もできており,盛況な様子。

イベント会社の青年が道行く人に,「参加しませんか?」と声を掛けている。

何となしに眺めていたら,その青年に声を掛けられてしまった。

満面の笑みでジョイナス的なことを言われ,どうにもこうにも焦る。

ほぼ死に体であったが、かろうじて「I have to go」と口に出す。

親指を立て「Enjoy your day」と言う青年。僕は逃げるようにその場を去った。

その一部始終を遠藤に見られた。屈辱。

夜。遠藤がイタリアで調子こいてた時の友人、クレメンさんと合流。

色々と案内してもらった。

クレメンさんは見た目がアジカンのゴッチ風で、とても優しき人であった。

4カ国語話せるとのこと。アメイジング

シーフードが食べたいという僕らの要望をうけ、

ジャンボというシーフードに連れてってくれた。

ジャンボで思い浮かぶのは通常焼き肉だが、

こちらのジャンボシーフードも最高だった。

でっかいカニももちろんおいしかったが、

エビのシリアル揚げや、空心菜も良かった。チャーハンも。

腹満腹で,シンガポール川沿いを散歩。

屋形船が走っていたり,ワタミがあったり,日本語がちらほら。

お店の明かりは全く途切れること無く,川縁には若者がずらーっと座っている。

お祭りみたいだ。

クレメンさんに「いつもこんなに賑わってるんですか?」と聞くと,

週の半分くらいはこんな感じらしい。

24時間営業の店も多くあるとのこと。

恐るべき繁盛っぷりだ。

住んだら楽しそうだ。毎日飲み歩いちゃいそうだけど。

川沿いの賑わいを抜けるとタクシーに乗り込み,

クレメンさん行きつけのホテルのバーに連れてってもらった。

小高い丘の上にあって,雰囲気のあるホテルであった。

テラス席で赤ワイン。

少し飲んだ後,放置するとワインは味が変わるとのこと。

「『開く』って言うんだ」と遠藤。うるせーよ。

言われた通りしばらく放置してから飲むと,なるほど確かに味が変化した!すげえ。

川島なお美がハマるのも分かるぜ!

放置するのではなく最初から変化後の味にしておくことはできないのだろうかとも思うが、

それじゃ意味ないんだろうとも思う。

食べてるうちに味が変わるというのは年齢を問わず不思議で魅力的な事なのだ。

子供は味が変わるアメが好きだし,大人になればそれがワインになる。

そういう視点で見れば,田崎真也の顔もまた違って見えてくる。

あんな頭して,無邪気なもんだよ。

カールトンホテルに戻り,クレメンさんとお別れした後,

「カジノ行こうぜ」という遠藤に連れられて,マリーナベイサンズへ。

深夜にも関わらず,入場のゲートには長蛇の列。

無事入場し,まずはアチコチ歩き回る。

ショーなどを見られる場所は見当たらない。

単純にギャンブルを楽しむ場となっているようだ。

かつてマカオで1000円を1500円に増やした実績を持つ僕は,

今回も「やってやれ!」の気持ちで臨んだが,5000円ほどを一瞬で溶かして,

「もうだめだ」とギブアップ。

遠藤も似たような感じ。

「ホテル帰ってコンフェデ見ようぜ」ということになり,

近くのコンビニで軽く買い出しして帰ホテル。

コンビニで面白いなと思ったのは,眠りにつきやすくなるドリンクが売っていたことだ。

何種類かある。逆に,目覚まし目的のドリンクは見当たらなかった。

シンガポールの人は不眠症が多いのだろうか。

試しに一本買ってみた。

戻ってきたホテルで,シャワーも浴びて眠る準備万端としてからテレビをつける。

コンフェデは開幕戦で,カードは日本対ブラジル。

時差は日本-1時間なので,3時には始まるはずだ。

テレビ番組表は入手していなかったので,テレビ放送があるかどうか半信半疑だったが,

3時になったらちゃんと放送が始まった!

前半開始早々にネイマールの「はいはい,すごいすごい」的なスーパーシュートが炸裂。

前半は何とか持ちこたえたものの,ハーフタイムに入った瞬間睡魔と戦えなくなり,就寝。

2半頃に飲んだ例の「睡眠ドリンク」の効果かどうかわからないけど,

耐えがたい眠気であった。