イタリア旅行記⑥
月曜日。
遠藤は午前中が仕事。午後は空きとのこと。
ミラノの見逃した場所をまわることにした。
遠藤と一緒にメトロにのり,遠藤は途中下車。
僕はそこから少し先の駅まで行った。
目的は,最後の晩餐。
予約してないと見られないという噂だけど,なんとかなるだろと行ってみた。
協会は空いてたので見学。
でも,最後の晩餐がどこにあるかは分からない。
協会を出て,掃除してたオッサンにガイドブック指さして,「これどこ?」と聞いたら,「どまーにどまーに」と言われた。
「どまーに」は「明日」。
本を良く見たら,月曜お休みだった。なんてこった。
「どうせそんなに見たくなかったよ」と呟きながら,退散。
センピオーネ公園の脇やら住宅街をひたすら歩いた。
たどり着いた駅でコーヒー飲んで,地下鉄でドゥオーモへ。
ジーパン買おうと思ってREPLAYというお店に入った。
店内を見てたら,なんと,パツキン姉ちゃんに声掛けられた。しかもとても美人。
「そのショルダーバッグ,なんていうブランドですか?」と聞かれた。
これは・・・まさしく逆ナン!
紳士的に「masterpieceです。日本のブランドですよ。」と教えた。
「いいバッグですね~」と褒められて,彼女は去った。短い恋であることよ。
ジーパンは,結構沢山試着させてもらったけど,正直「これだ!」というは無く,買わなかった。
イタリアの洋服屋で一人試着の末,買わないという決断。
これはかつての僕を知る者なら,花道がゴール下決めたくらいの驚くべき成長ぶりであろう。
誰か褒めてくれ。
その後,遠藤から電話。タクシーでホテルまで向かい,遠藤と合流。
電車で遠藤の家があるシエナへ向かう。
僕と遠藤はテーブル挟んで向かい合う形で座っていた。
すると,一人のアジア人(直ぐにCの人と判明)が来て,
僕の頭の上のモノ入れに入れようと頑張ってるた。
そのサイズが明らかにおかしい。入り口と荷物のギャップは20センチはあろうかというところ。
絶対入らないし,頭の上でガンガンやられるの嫌だなあと思ってたら,
見かねた近くの席のイタリア人が,「あっちに置くところあるよ」と言うと,
しぶしぶそっちに荷物を持ってった。
暫く遠藤と話していると,遠藤が「横,立ってるぞ」と。
横を見ると,さきほどのCさんが仁王立ち。
表情は特になく,ただ立っている。
どうやら席は僕の隣の窓際席みたい。
「なんか言えよ」と思ったけど,僕は「そーりー」と言って席を立った。
なお無言で奥の席に座るそいつ。サンキューくらい言えよ。
とはいえ,怒るほどじゃないし,気を取り直して遠藤と話しをしていた。
席の前にはテーブルがあって,1冊ずつ小冊子が置いてある。
そしたらCさんは,「いらねー」と思ったのか,僕のテーブルの上に自分の小冊子をポンと置いた。
うーむ。
仕方なし。僕はその置かれた冊子を上の荷物置きのとこに放り投げた。
それで僕は自分の冊子を読んでるはずだよね。
何でお前は横から俺の読んでるのを読んでるの?
サンシーロのクソ親父ご一行よろしく,行儀の悪いやつだった。
暫くすると,遠藤の携帯に会社の上司から着信。
なんと,今ミラノにメッシが来ていて,ふつーに握手とかできるとのこと。
タイミング悪い・・・残念。
日本戦を終えた後に寄ったみたい。
フィレンツェで電車を乗り換える。
そこからさらに1時間半くらい。
段々景色が田舎になっていく。
遠藤も最初来たときは一体どうなっちゃうのだろうと不安だったとのこと。
田舎電車旅を終え,駅に到着。
駅の目の前が遠藤の通っている語学学校。
タクシーに乗って,遠藤んちへ向かう。
シエナの町は城壁に囲まれてる。城壁の中にタクシーで攻め入る感じ。
町並みは凄く奇麗。映画の中みたいだ。
15分くらいの乗車で遠藤の家到着。
目の前に協会がある。
5階建ての建物は風格があった。遠藤の部屋は一番上の5階。
風格はあるけどエレベーターが無くて,重い荷物抱えて死にそうになった。
荷物を置いて,すぐ出発。
世界一美しい広場といわれるカンポ広場。
下は石畳なのに座ったり,寝たり,遊んだり,みんな好き勝手やってた。
美しいかは知らんけど,良い広場。
その後,遠藤おすすめのお店をいくつか回った。
セリエBのシエナのファンショップ,謎のお菓子屋(一つ買い食い,カルメ焼きみたい),洋服屋,スーパーなど。
スーパーでは,遠藤が現地で知り合ったという日本人のおばちゃんと偶然遭遇。
よく喋る関西弁のおばちゃん。旦那さんがイタリア人とのこと。
今日,日本で誰か女優が結婚したけど,忘れちゃったという。
「じゃ,また」と別れた後,しばらくして,走り寄る足音。
「広末,広末!結婚したの広末!」
わざわざありがとうございます。
漫画屋にも寄った。谷口ジローの作品が置いてあって驚いた。
帰国してから調べたら、欧州で人気あるとのこと。己の無知を恥じる。
遠藤おすすめという絵はがき屋でお土産絵はがきを購入。
夜はポルチーニ茸のパスタなど。
ポルチーニ茸は人生で初めて食べた。
独特の臭いがあって,凄くおいしかった。
ビール飲んで酔っぱらってしまい,2件目のスポーツバーは早々に退出。
店員がカワイイ上に常に半ケツ状態,日本なら別料金が発生するであろうお店であった。
勿体ない。