小田原に移住したよ。

小田原移住日記

唐突な転職で小田原に引っ越した男の顛末

土合駅|雪化粧の「日本一のモグラ駅」、すごく良かった。(勢いそのままで珍宝館へ)

毎年恒例日帰り旅。今年は群馬、水上。

毎年たくみ、どな、ともちゃんと4人で出かける日帰り旅。

朝8時頃新宿東口に集合し、車の中で行先会議。今回は群馬方面を攻めることにした。練馬ICから関越道で北上する。1月下旬ということもあり、外は寒い。新宿は晴天だったが、群馬近辺は雪が降っているという情報もある。

高速道路にはチェーン規制を知らせる電光掲示が出ていて、途中のSAでタイヤチェックも行われていた。僕の車はスタッドレスタイヤを履いていたので無事通貨。で、みなかみICに着くころには大雪になっていた。「雪が降っているという情報も」なんて言ってるやつ頭大丈夫?ってくらい降ってる。

余裕で1m以上の積雪&降り続ける一辺の大きい雪。道路はぎりぎり車が通れるだけ除雪されていて、地面からは凍結防止の水がジョバジョバ出ている状況だ。たまに水の出口を踏んづけると「ビビッ!!」と音と振動が来てビックリする。

第一目的地は「日本一のモグラ駅」

みなかみICを降りて、激しい雪道を通ってまで行きたかった場所。それが「土合駅」だ。

土合駅 - Wikipedia


日本一のモグラ駅として、知る人ぞ知る珍駅。なにせ、改札から24段+462段で合計486段の階段を下らなくてはホームにたどり着けないのだ。友人のナベさんが「とても良いよ」と言ってたので、絶対行きたかった場所。

期待に胸を膨らませ、駅に着くと、駅が雪で覆われていた。駐車場っぽいところには車が3台ほど止まっているので、かろうじて空きスペースに駐車し、駅舎へ向かう。

大雪の土合駅
大雪の土合駅

駅舎の表札。文字にもぐらが隠れているよ
駅舎の表札。文字にもぐらが隠れているよ

がらんとした駅舎の中

駅舎に入ると、中には誰もいなかった。誰もいないだけで、駅舎としては普通な感じ。そこまで古い感じはしない。入って左手には休憩室があったが、今は使われていないようで、閉鎖されていた。


入って右手には中高年の遭難が多発していることを知らせる看板が。登山者への注意喚起はくどいほどなされている。

遭難多発!!!
遭難多発!!!

谷川岳に入る登山者への注意喚起
谷川岳に入る登山者への注意喚起

田舎を感じる時刻表
田舎を感じる時刻表


正面には奥へ続く扉が開いていて、その脇には乗車証明書発行機がある。ボタンを押すと乗車証明が出てきた。古いバスにある乗車券のような感じだ。その奥には友人改札の名残があった。

乗車証明書を発行する機械
乗車証明書を発行する機械

乗車証明書はこんな感じ
乗車証明書はこんな感じ

懐かしの友人改札跡
懐かしの友人改札跡

そして左右に道が分かれている。上越線の表示が出ていて、左が1番線、右が2番線だ。僕の田舎である小出にも、ここから電車で行けるようだ。とりあえず左に進んでみる。窓から見える外の雪は白くまぶしいが、何となく暗い雰囲気の通路。幅は3,4mほどで、足元は湿っている。

上越線が通っている。
上越線が通っている。

通路
通路

24段の階段を降りると、また扉があり、そこを開けるとその先はバッ明るいスペースになっていた。このスペースが一瞬の休息。ジェットコースターのてっぺん。その先には大きな暗闇の洞窟が口を開けていていて、一気にホームまで462段が続く。

一瞬の明るさ。奥に見えるのが風よけ
一瞬の明るさ。奥に見えるのが風よけ

風よけの近くの扉にねぎらいの言葉
風よけの近くの扉にねぎらいの言葉

奥の闇から下に階段が続く
奥の闇から下に階段が続く

上から見下ろした階段
上から見下ろした階段

「一気に」は言い過ぎた。途中、ちゃんと10段ごとに休憩の踊り場がある。簡易だがベンチもある。右手には、何やら1.5メートルほどの「溝」があり、チョロチョロ水が流れている。エスカレーターでも作ろうと思ったのだろうか。下りは楽勝。雰囲気を楽しみながら、10分くらいで降り切った。

謎の溝
謎の溝

一番下にあった看板
一番下にあった看板

線路は1本。ホームは綺麗で古さを感じない。地下鉄のトンネルと同じ感じだ。それと違うのは、ここが標高653.7メートルということ。待合室もちゃんとある。待合室には電気がついていて、オレンジのイスが4つと、テーブルがある。テーブルの上には「思い出ノート」があったので、僕も書き込んでおいた。

1番線ホーム
1番線ホーム

待合室。
待合室

思い出ノート
思い出ノート

待合室の隣には「運転事務室」がある。こちらは電気が消えていて、中は暗い。しばらく使っていないようだ。当然入り口には鍵が掛かっており、中に入ることはできない。運転事務室の隣はトイレがあった。ボロボロだが、地上までの道のりを考えると、このトイレで命拾いした人も多かろうと思う。

使われていない「運転事務室」の中の様子
使われていない「運転事務室」の中の様子

多くの困難を救ったであろうトイレ
多くの困難を救ったであろうトイレ

駅標識を見ると、前の駅は湯檜曽。次は土樽。両方全く聞いたことが無い駅名。ゆびそって。一通り満喫したので、来た道を戻る。当たり前だが登りはキツイ。気温は低いのに汗ダラダラの足パンパンになった。

登りはキツイ
登りはキツイ

せっかくなので、2番ホームも見てみることにした。さっきと逆方向に行く。小さな展望スペースや、鉄棒があった。鉄棒はなぜあるのか謎。

展望スペース
展望スペース

駅通路の様子。左手に鉄棒
駅通路の様子。左手に鉄棒

窓には大きなつらら
窓には大きなつらら

2番線は1番線と違って、下にもぐっていかず、そのまますぐ外に出るとホームがある。こちらは特筆すべきことない田舎駅。待合室もちゃんとある。こっちには観光客もあまり来ないのだろう。足跡は僕らのものしかなかった。とにかく雪がスゴイので、少し雪遊びしてすぐ戻ることにした。

2番ホーム
2番ホーム

再び駅舎にもどり、よくよく張り紙を見てみると、「土合八景」と記された張り紙が4枚。それぞれ2つずつ土合駅情報が書かれていて、計4枚ある。特に気になるのは「トンネルの溝がエスカレーター建設の名残」というのと、「鉄棒は正体不明」ということ。昔誰かが運動してたのか、掲示板代わりに使っていたのか。何とも心が躍る鉄棒だ。壁が近いから大技は難しそうだけど。

鉄棒の謎は深まるばかり
鉄棒の謎は深まるばかり

「たくみの里」へ

土合駅を満喫した僕らは、とにかくお腹が減っていた。そば、ピザ、肉、なんでもいい。だけどおいしいものが食べたい。みんなで色々検索したところ、車で20分くらいのところに「たくみの里」というところがあって、そこの「たくみの里食堂」がおいしそう、という事になった。古民家を改築したような作りで、豚肉料理が有名な様子。行ってみることにした。
tabelog.com

雪は山を少し下ると明らかに弱くなった。途中の道で「釈迦の霊泉」という気になる看板を目にする。詳細な文言は忘れたが、「癌にも効く」という、2019年にあって剛胆としか表現できないコピーが書いてあった。

たくみの里食堂に到着。言っちゃ悪いが交通の便も悪く、辺鄙な場所にも関わらず、お客さん4組ほどいて賑わっていた。僕は角煮定食を注文。角煮もおいしかったが、味噌汁と、付け合わせのポテトサラダがおいしかった。全体的に素材の味を生かした優しい味つけで、体に良い感じもした。

メニュー
メニュー

食事たち
食事たち

お腹がいっぱいになったので、雪がちらついているが、そこらへんを散歩する。たくみの里の中には様々な手作りが体験できる「たくみの家」が点在していて、陶芸、そば打ちは勿論、竹細工、わら細工、キャンドル作りなどもできるらしい。この日はそういう気分じゃなかったので何もしなかった。

いわゆる普通の「みちの駅」みたいなお土産、地元の野菜が売っている場所もある。僕は山椒の塩漬けを購入した。外に高野豆腐が干してある。シーズンはまだ少し先とのこと。

高野豆腐が干してある
高野豆腐が干してある

少し散歩したところで、甘味とコーヒーが頂きたいという気分に。幸い、カフェも3,4件ある。「福寿茶屋」というお店にした。暖かいコーヒーとおまんじゅうを頂き、体力気力を回復。たくみの里の〆として、お土産屋で名物という飲むヨーグルトを一気飲み。うまい。

名物というヨーグルト
名物というヨーグルト

車を出してすぐ、変なものが目に入った。わらでできた、大きなイノシシだ!たくみの里では2017年にわらアートのプロジェクトが立ち上がり、その第1号としてできたイノシシらしい。立て看板の写真では親子のようだが、子イノシシの姿は見当たらなかった。

わらアートの「巨大イノシシ」
わらアートの「巨大イノシシ」

伊香保の秘宝館「珍宝館」へ。マン長の話術恐るべし

たくみの里を出た後は南下して伊香保へ。有名な秘宝館「珍宝館」を表敬訪問した。入り口には巨大な「珍宝館」と書いた石。

立派な石
立派な石
入館料は1人1,300円
入館料は1人1,300円

入館料を支払って庭に入ると、前の団体さんがマン長(珍宝館の館長)の説明を受けていた。その説明が凄い。ペラペラペラリと下ネタ時事ネタ織り交ぜて、見事な語り口で展示を説明していく。説明終わりにはマン長さんがみんなの子かんをサラリと触って、あだ名をつけてくれる。僕は「チェリーボーイ」だった。感謝。男性客ばかりかと思ったが、おそらく20代前半と思しき女性集団が来ていたり、幅広い人気をうかがわせる。

展示はなかなか見応えがある。前から見たら普通の人形、下から見たらヤバいやつとか、マリリンモンローを追い続けた鈴木信一さんという方の作品、ちんこっぽい石、ちんこっぽい木など、見るものを酔わせてやまない。極め付けはプリクラだ。マン長さんのフレームが充実。当然撮影した。

ちんこ石
ちんこ石
木ちんこ
木ちんこ
下から見るとヤバい人形
下から見るとヤバい人形
何かわからないけどグッと惹かれる人形
何かわからないけどグッと惹かれる人形
マン長プリクラ
マン長プリクラ

最後のフロアはお土産売り場。マン長さんがレジにいたので、一緒に記念撮影をしてもらった。撮影中に僕とたくみの股間をサワサワしてくれた。一方、あの軽妙な語り口が嘘のような落ち着いた表情での一枚となった。

秘宝館は全国的に廃業が続いている。ぜひ元気で長く続けて欲しい。また行きたい。

珍宝館から草津温泉へ向かう

雪がいよいよ強くなってきた。旅の終わりはいつも温泉と決まっている。関東最強の泉質を誇る温泉、「草津温泉」へ行くことにした。

が、雪がメチャクチャ強くなってきた。一応スタッドレスタイヤを履いてはいるが、ちょっとイヤな感じ。山道で道幅も狭く、視界もすごく悪い。草津温泉まであと15kmを切ったあたりで、それ以上進むことを断念した。

でも温泉には入りたいので、途中にあった日帰り温泉施設「天狗の湯」へ行くことにした。吾妻峡温泉という温泉らしい。幸い、とても良い温泉で、雪の降るなか入る露天風呂は最高だった。風呂上りの休憩スペースでは、テレビで丁度大坂なおみ選手の試合、全豪オープンの決勝戦が放送中。相手はクビトバ。2セット目で大坂選手のマッチポイントまでは見たが、クビトバ選手の驚異の粘りで2セット目を奪われてしまった。3セット目を見るのは諦めて、家路に。無事日をまたがず全員帰ることができた。

天狗の湯から関越の渋川伊香保ICまでの道のりも、なかなかの雪道。滑りはしなかったが、怖かった。多分草津まで行っていたら一泊するはめになってたと思う。まあそれはそれでもよかったけど。

まとめ

特に土合駅は噂に違わぬ良いスポットだった。人気があるのも分かる。草津行きたかったなあ。