伊豆の観光名所|最強珍スポット『まぼろし博覧会』へ行ってきました。【2018年・秋】
念願。伊豆が誇るマジカルワールド『まぼろし博覧会』へ行ってきた。
まぼろし博覧会、ずっと行きたかった。
ワンダーJAPANか何かの珍スポット特集で巨大聖徳太子の画像を拝見してから、ずっと恋焦がれていた。
この前「伊豆アニマルキングダム」に行ったとき、すぐ横を通ったのに、時間が無くて立ち寄ることができなかった。
その悔しさをツイートしたところ、館長のセーラちゃんからコメントを頂き、「必ず年内に訪問する」と決意。
まぼろし博覧会を涙ながらにスルー。今年中に絶対に行く。
— つかD (@tuka1231) 2018年9月9日
そして遂にその日が訪れた。3連休真ん中の土曜日。朝から洗濯を済ませると、車に乗り込む。西湘バイパス、真鶴道路を経ながら、国道135号線を南下。
特に激しい渋滞などには巻き込まれなかったが、「まぼろし博覧会」に到着したのは13時過ぎ。
駐車場に車を停め、「まぼろし博覧会」と書かれた門がある、入り口と思しき場所へ向かう。そこでは館長のセーラちゃんと、世直し王様がお客さんと話をしていた。
近づくと、セーラちゃんが寄ってきて、名刺をくれた。セーラちゃんに入館料を渡そうとすると、受付は少し奥に行った所だから、そこで支払ってくれと教えてくれた。
入り口は少し坂道になって、脇には桃太郎と鬼が仲直りしている像や、逆立ちした金太郎、白塗りでセーラー服を着たゴリラなど、どこに出しても恥ずかしくない奇妙な置物が置いてある。
受付には女性が一人。ここで入場料1,200円を支払う。
受付の前は3方向の分岐になっていて、地面に1,2,3と書いてある。受付の方が「順番にお進みください。」というので1から行くことに。
ルート1のメインは聖徳太子像。そして唐突な鳥谷二千本安打。
1は受付の小部屋の脇の道。入ってすぐはお土産コーナー。缶バッジや改造したリカちゃん人形(?)みたいなのが売っている。「安全帽子」という名のヘルメットも売っていた。それを過ぎると、本コーナー。これも売り物らしい。「ハッカーの学校」など、データハウスという出版社の書籍が多い。そこには勿論理由はあるのだが、それは各人で調べていただきたい。(すぐわかる)
本コーナーを抜けると、一見植物園のような、ガラス張りに囲われつつも木が生い茂った場所に出る。アステカの人面岩、ピラミッドの小さいやつ、ひな壇などが飾られている。巨大な2体の仁王像もあった。これは「R指定」というビジュアル系バンドから、幕張メッセ公演で使用したものを寄贈されたらしい。バンドが「まぼろし博覧会」でPV撮影を行った縁とのことだ。creepy nutsのR-指定とは別なので注意。
地球外生命体の標本も面白いが、このフロア一番の注目は「聖徳太子像」。各種雑誌で頻繁に取り上げられている逸品だ。奈良の大仏と同じ大きさ。
僕がこの像が素晴らしいと思うのは、「色が塗り分けられている」ということだ。日本の巨大像というと、どうしても単色が多い。塗り分けているものは非常に少ない。理由はコストもあると思うが、一番の理由は「人物像に着色すると必要以上の人間味が出る」という事だと思う。単色では感じないが、複数の色で塗り分けると、とたんに俗っぽくなってしまうのだ。
<参考>シンガポールにあるシャカムニブッダガヤ寺院の記事
tukamen.hateblo.jp
巨大像のモデルは通常信仰の対象であったり、偉人だったりするので、建てる側からすれば俗っぽさは抑えたいという心理が働くのだろう。だから単色の仏像が多いのだと想像するが、いかがだろうか。誰か教えて。
2階に上がるとぬいぐるみや、鳥谷二千本安打の新聞などが陳列されていた。更に進むと行き止まり。ここから先は開発中とのことなので、引き返す。
ルート2。昭和をめぐる旅。顔のはがれたジョーと、ふんどし小僧
受け付けの所まで戻って、「2」のルートへ。ティラノサウルスの顔や、肩こり地蔵、女の顔だけ地蔵を過ぎて、「まぼろし博覧会」と書いた門へ。
入った先にトイレがあったので、一応入ってみた。トイレはきちんと掃除されていて、とてもきれい。意外だ。ただし、洗面台には「らしさ」が溢れる張り紙が貼ってあった。
トイレを出て、順路に戻る。ここからは屋内。昭和の時代を年代ごとに振り替える展示だ。時代ごとの恰好をしたマネキン、当時のポスター、ちなんだフィギュア等が中心。
とにかく展示の量が多い。特に良かったのは、下記。
・ゴジラのポスター
充実している。ゴジラVSヘドラは2枚あったので、探してみてほしい。
・授業風景
ふんどし一丁の小僧が黒板に迫る姿の展示。シチュエーションが全く分からない。パンフレットにも掲載されている。
・インベーダーゲーム
実際にプレイできるっぽい。しなかったけど。
・出口近辺の野球盤やってるやつ
なんか悲しい空気が良い。エロ本が散らかってるのもリアル。
・良い表情のマネキン
特に気に入ったのはこの二つ。
・あしたのジョー
唐突に明日のジョーらしき人が座っている。「らしき」というのはかぶせてあるジョーの顔がボロボロで、中身の顔が出てきてしまっているからだ。
・女湯
女湯も展示されている。なんかエロイ。
珍マネキンが勢ぞろい。悪酔い横丁→村崎百郎館
昭和ブースを抜けると、「悪酔い横丁」。屋根はここから透明で、最初のフロアには大小さまざまなペンギンの人形が展示されている。もはやコンセプトなど聞く方が野暮というもんだろう。ノーリーズン。
次は「ひみつの秘密基地」。「秘密」を重ねるあたり、秘密な感じがすごい。入ってすぐにあるのは「ミイラ制作室」。ピンク色のパンツ1枚のおじさんマネキンが見つめるテーブルの上には、ミイラらしき人形が置いてある。
ハッカー寺子屋と書かれた小屋。中には何やら謎の機材がビッシリ。その入り口にはボタンがあり、「ボタンを45秒押し続けると携帯電話と基地局の接続が遮断されます。ボタンを離すと通常通りの接続状態に戻ります。」と書いてある。当然試してみた。僕の携帯の電波は最大4本で表現されているが、ボタンを押し続けると徐々に本数が減っていった。圏外にはならなかったが、残り1本という状態にはなった。不思議。
その後、短冊に願い事がたくさん書いてあるフロアを抜け、村崎百郎館、未確認生物博覧会と書いたフロアへ突入。村崎百郎さんについてはwikipediaをご参照ください。凄い経歴というか人生のお方。
フロアの中には電波を感じる手紙や、すげー古いパソコン、ウクレレを持ったオバマ大統領などがいる。なんか写真とかもある。できのよいアルマジロのフィギュアも。顔色の悪い人形などのオブジェは販売もしているらしい。料金表が置いてあった。
出口には看板が。ここまでの狂った展示と比較して、至極常識的な内容に戸惑う。この先が分岐になっていて、右手になだらかに登っていく道がある。この先に「まぼろし島」があるらしい。行ってみた。古い映画のポスターなどが貼られた道を進むと、その先に確かに島があった。様々な女性のマネキンがステージで開脚している。
島を離脱し、分岐点に戻り、今度は左手へ進む。たびたび出てくるにこやかなチョビ髭おやじが大量に廃棄されている。チョビ髭おやじたちの死骸を過ぎると、受付のあったあたりへ無事戻ってくることができた。これでルート2は制覇だ。
ルート3。秘宝館の色が濃い下ネタワールド。
最後に残ったのはルート3。入口の女性マネキンがいきなり屁をこくので注意。右手には動物のはく製たちがくんずほぐれつ。左手は「進駐軍外科軍医御推薦 公衆衛生博覧会」と書いてある。入ってみると、割礼の儀式をする人の前に笑ってる人形が転げていたり、やたらリアルな妊婦&胎児の成長過程の人形があったりと、なんかよくわからんけどスゲエ。注目は「エジプト性器神チンガ王」。とにかく立派。あとはマッコウクジラのチン品もある。
なんか音楽が流れているなと思ったら、ZRAYDというバンドらしい。まぼろし博覧会でPV撮ったとのこと。
この「公衆衛生博覧会」は、まぼろし博覧会の中で一番露骨に下ネタのエリアだ。気になったのは、妊婦&胎児のところに飾ってあったサインと写真。「国際秘宝館さんへ 泉ピン子」とある。
泉ピン子という名前の女性はおそらく日本に2人はいないはずなので、あのピン子だろう。国際秘宝館で検索してみると、三重県にかつて存在した「元祖国際秘宝館」というのが出てきた。残念ながら2007年に閉鎖してしまっているが、紹介されているページを見て驚いた。
2/2 B級の殿堂・三重県の元祖国際秘宝館が閉館 [名古屋の観光・旅行] All About
「かつては東海地方のあちこちで看板をみかけた秘宝おじさんもこれで見納め」のキャプションと共に写っているのは、あのチョビ髭おじさんだ!「秘宝おじさん」というらしい。おそらく「元祖国際秘宝館」からまぼろし博覧会がいくつか展示を譲り受けたのではないか。
僕がそう思うに至ったもう一つの写真が上のリンク先にある「またがってコインを入れるとガコガコ動く大人の遊具。お宅の屋上にいかが?」と紹介されている画像だ。この遊具の残骸、まぼろし博覧会にあったよ。これは間違いないっぽい。
と思ってもう少し検索してたら、あの東京別視点ガイドさんに答えが掲載されていた。
東京別視点ガイド : 今、伊豆高原がカオスなことになってる!15mの聖徳太子が出現したぞ!「まぼろし博覧会」【静岡県伊東市】
上記ページに、まぼろし博覧会について下記の記載が。
おばさんは「怪しい少年少女博物館」のマスコットなんですけど、おじさんは伊勢にあった「元祖国際秘宝館」のメインキャラ。2007年に閉園したので、引き取ったそうです。珍スポ好きにはたまらないコラボですね。
86年に潰れた山梨の「石和秘宝館」からも展示品の数々を引き取っているそうで。あちこちの珍スポから戦士が集う、キングオブファイターズみたいなスポットなんです。
そういうことだったのね。まぼろし博覧会が「つぶれた植物園を買い取って作られた」ということも初めて知った。
見学再会。文化祭というエリアもあって、そこには珍妙なテーマによる自由研究的な展示がされていた。爺ちゃんと父ちゃんのもらった賞状を孫が出品していたりする。
「藪病院」エリアでは気軽に性転換ができたりもする。これでルート3も制覇。大満足。
全共闘赤ヘルマン爆誕。そしてセーラちゃんとの記念撮影へ
ここまで満喫してしまったからには、何か買って帰りたい。お土産屋さんをもう一度眺めると、イケてる安全帽子(ヘルメット)を発見した。
前頭葉のあたりに全共闘と書いてある。「なんか良さそうだし、災害があったときに使えそう」と思って、購入。1800円。
出口(兼入口)の門へ行くと、セーラちゃんと世直し王様、あと2名何やらスタッフ的な方が談笑していた。「すみません、セーラちゃんと写真を撮りたいんですけど」と言うと、快く応じてくれた。スタッフ風の方が「安全帽子ご購入いただいたんですね!それ今日置いたばっかりなんですよ!」とのこと。どうやら僕は塗装したばかり、できたてほやほやを購入できたらしい。ラッキーだ。
あまりにもラッキーだったので「このままかぶって帰ります」と言うと、セーラちゃんに「検問で止められるかもしれないから気を付けてね(ハート)」と言われました。キューティー。
その時の様子がこちら。
おみやげコーナーで安全帽子を購入されたお客様です。
— まぼろし博覧会[公式] (@_fushiginamachi) 2018年11月23日
そのままかぶって帰られました。
安全帽子は受け付け横のおみやげコーナーにて販売しています。 pic.twitter.com/SlAHKFlmgy
おなか一杯。大満足。また行く。