イタリア旅行記②
木曜日。
この日は遠藤が一日休みなので,丸々一日付き合ってもらった。
まずはドゥオーモへ。
ドゥオーモというのはその地域のシンボルとなる教会とのこと。
ミラノのは特に立派。ゴチック。
観光客も沢山いた。ミサンガ売ってる黒人,変なスカーフ売ってる中国人も多い。
遠藤は前からミサンガが気になっていたらしく,黒人からミサンガの値段を聞いていた。
すると,その黒人は「タダでOKね」と。
タダより高いものは無しということで,脱出。
あれあのままタダで貰ってたら,あの後何が待っていたのだろか。
ドゥオーモは流石名所だけあって,迫力があって良かった。
細かいところの石像も造り込まれている。
最上部は工事中みたいだったけど,屋上にもちゃんと上がれた。
その後は買い物へ。
ACミランのファンショップがあるというので,連れてって貰った。
本物のサイン入りユニが普通に売られていた。
遠藤は僕が凄く喜ぶと思ってたらしいが,
残念ながら世界のサッカー事情にそこまで明るくない僕は,
「へ~」的な反応をしてしまい,肩すかしの様子。
ユニ以外にも,ゴルフボールやお皿など,サッカー関係無いものまで置いてあって,面白かった。
アントニオ猪木が着るような深紅のバスローブも売っていた。
「おい,バスローブ売ってるぞ」と遠藤に言うと,
「こっちじゃみんな普通に着るぞ」とのこと。
「そんならお前も?」と言う言葉を飲み込む。
遠い異国の地で一人,遠藤なりの事情もあろう。
うぶき,遠藤はバスローブ着てるぞ,多分。イマジン。
美術館にも行っておかねばなるまいと,ブレラ絵画館へ。絵を鑑賞。
学生時代,教科書ペラペラ漫画業界で一世を風靡した僕からすると,
やや真面目が過ぎるのではという印象はあったが,なかなかの絵が揃っていた。
今現在身を置いている会議中落書き業界で羽ばたくための肥やしとしたい。
次はサンシーロスタジアム。
メトロで近くの駅まで行って,そこから一本道を20分弱歩く。
道路を挟んで反対側の壁には,サッカー絡みの落書きが沢山。
遠藤による下品な言葉講座を受講。ためになる。
スタジアムの裏側に着いてしまった。隣は競馬場。馬のオブジェが巨大。
ぐるっと表に回る。
でも入り口は開いてないようだ。中には入れないのかな。
と思ったら,パラパラいた観光客が吸い込まれていく扉発見。
行ってみると,小さなチケット売り場があった。
そこで資料館とスタジアムツアーのチケットを購入。
まずは資料館見学をした。
ミランとインテルの選手人形(等身大ではないけど大きい)は似てない。
トヨタカップ関連のものが多かったのも印象的。
遠藤につられて記念メダル買って出てきた。
資料館の出口で少し待つと,観光客が20人くらい集まった。
そして,スタジアムツアー開始。
元気なお姉さんの係員に連れられてスタジアムの中に入る事が出来た。
グラウンドは芝を張ってない状態で,砂地になってて残念だったけど,雰囲気はアリ。
ベルルスコーニがいつも座るというスタンドの席にも座れた。
楽しかったんだけど,一緒に回った某アジア圏の外国人が空気読めずに閉口。
ゴルフぽい格好した偉そうなオッサンを中心に,そいつの取り巻きが3人(うち1人は現地のアテンダントっぽい。
オッサンが喋ってるところを取り巻きがビデオ撮影したりしてる。何者。
そいつら,係員の人が散々注意したにも関わらず,グラウンドの中に入っちゃったり,
インテルとミランが実際に使っているロッカールームに入れたんだけど,
係員の人が「次に行くから早く」と言っても,いつまで経っても出てこなかったり。
うんざり。
スタジアムツアー自体はとてもよかった。
その後,再びドゥオーモ近辺に戻り,お世話になってる会社の先輩から頼まれたバッグを探す旅に出た。
しかし,渡された地図の場所にはそのブランドが無い。
無念。この後行く予定の街にもあるかもと遠藤が言うので,ここは一旦忘れた。
お土産といえば,前に遠藤とフランス行った時,付き合ってた彼女に頼まれた時計探しに必死になりすぎて遠藤に失笑され,「お前それ買っていかないと振られるの?」と毒づかれ,結局パリにはその時計が無くて,スペインまで行っても探し続け,デパートでおばちゃん店員に時計売り場の場所を聞くため,手首をさすりながら「ウォッチ,ウォッチ!」と言ったら,おばちゃんに「お~け~」とハンドクリーム売り場に連れて行かれ,ハウメニーいい顔で「さ~んきゅ~」と言わされた事件(世に言う「バルセロナの屈辱」)などを思い出した。
自分の買い物としては,遠藤がちょこちょこ良い店教えてくれたので,僕は時計やらシャツやら買った。
いつも海外旅行だとお土産ばかり買ってて,自分には残らないんだけど,
今回はかなり自分のもんを買った。なんだか爽快だ。
夜はまた遠藤おすすめのレストラン。
タクシーに乗って向かう際,タクシードライバーと談笑する遠藤を見るにつけ,こいつやるな,と思う。
お店は小さいところだったけど,人が一杯で満席。
近くのカフェで暫く時間を潰すことに。
カフェに向かう途中,頭がおかしくなったイタリア人男性が奇声をあげながら歩道を突撃してくるのを車の影に隠れて見送るなどの些細なハプニングを経験。外国こえー。
コーヒーを一杯飲んで心を落ち着け,念願のレストランに突撃。
遠藤の会社の人もお気に入りとだけあって,凄くおいしかった。
やはりここもからすみがあった。これだけでイタリアはいいところだ。