オボンヌin岩手~初日~
思い立ったが吉日。
盆休みを利用してセンボクの家に遊びに行く。
元家がお隣さんという間柄だ。
東京近辺に来ていたセンボクを池袋で乗せる。
センボクは何と彼女がお見送りに来てた。
妬みをグッと堪え,明るく振る舞う僕。
お見送りに来てくれる彼女なんて,羨ましすぎる。
ツメの垢を煎じて飲ませたいけど,ツメの垢くらいじゃまず効き目が無いな。
ツンデレの「デレ」の部分は果たして僕の一生で見られるのでしょうか。
池袋を出たのがお昼チョイ前。
SAで休み休み向かう。
結構頑張ったので,5時間半くらいで,目的のICまで着いた。
高速を降りると,センボクは駅に停めてた自分の車に乗り込み,
2台で温泉へゴー。
目的地は夏油温泉というところ。
車2台がすれ違えない程の,得体の知れない山道をガンガン上っていく。
既に辺りは暗くなりはじめ,雨もちょっと降ってきてた。
道を抜けると,温泉旅館の集合体が見えた。
車を停めて,中のおっさんに「入れますか?」と聞いたところ,
にべもなく断られ,ガックシ。
もう一つの旅館ならやってるかもしれないということで,そっちに突撃。
すると,アッサリOK。
よかたよかた。
旅館の中に温泉があるのかなと思ったら違った。
料金所の脇の,左右にしなびた旅館がある道を進んでいく。
古めかしくて,いい感じだ。
途中から細い道になる。
温泉はいくつかあって,僕らは一番奥から攻めることにした。
一番奥は,料金所のおっさんが言ってた,一番温度が高い湯だ。
常連と思しき爺さんとおっさんが先にいたが,臆することなく突入。
・・・熱すぎて入れん。
体が煮えるような熱さに,足を浸けるので精一杯。
常連の爺さん達は,ネジが緩んでるとしか思えない。
しかし,このまま帰ってしまったら,
風呂の淵に座り,桶で体にお湯を掛けながら徐々に慣らす。
そして,頃合いを見計らって,ざぶん。
グオー!アチー!
思わずジャバアと湯船を飛び出し,マグロのように陸に打ち上げられる僕。
常連の爺さんどもが笑う。
こんちくしょう。
横を流れる川にジジイを放り込むのは簡単だが,
それではこの熱湯コマーシャルみたいな温泉を制圧したことにならない。
僕とセンボクは竜ちゃんの様なリアクションを繰り返しつつ,
徐々に体を慣らす作戦をとった。
すると,その作戦が功を奏し,数十秒間は肩まで浸かれる程に進化した。
人間って凄い。
荒行を終えた後は,ぬるめと普通の温度の温泉を堪能し,あがった。
体がぽかぽかしたら,今度は腹が減ったんだけども,
時間が遅くなっていて,旅館の食堂は全滅。
山を下りるまで我慢することに。
崖崩れしそうな山道を再び通り抜け,国道に出てご飯屋探し。
良さげな焼き肉屋を発見したので,突入。
岩手と言うことで,僕は冷麺を,センボクはビビンバを注文。
冷麺超ウメー。
やっぱり,ちょっと硬い感じの麺がいいね。
辛さも,辛いは辛いけど程よい感じ。
焼き肉屋なので,肉も食い,腹一杯。
その後,隣接するゲーセンを冷やかす。
センボクが奇跡を起こし,でかいスティッチを手に入れた。
まさかあんなやり方で取れるとは。恐るべし。
そっからはひたすら車をかっ飛ばす。
2時間近くかかったろうか。
センボクの家は海と山に挟まれた,鹿出没スポットにあった。
家に着くと,長旅で疲弊した体にムチ打ってストⅡ。
意識がもうろうとしてきたので就寝。
初日が終了した。