げーつー氏の死
どうしてもなんかをこの世に残したくて、出版社で本作りたかった。
新卒で就活してたとき、出版社のエントリーシートめちゃくちゃ難しいから、
証券会社とか、お年寄りに健康器具売る会社とか受かったけど、
あんまりなんかピンと来なくて、大学4年の9月で5、6個くらいあった内定断った。
やっぱ本作りたかったから。
死んでも残る物が作りたかった。
紙というブツに印刷される以上、なんか残ると思ったから。
埋めとけば後世で発掘されるかもしれないから。
結局9月にゼロから始めた就活で、エロ本の会社と教科書の会社に内定もらった。
当時付き合ってた彼女の勧めもあって、悩んだ末教科書の会社に入った。
先輩はいい人も変な人もいた。
悪い人はいなかった。
げーつー氏は、いい人で、そして変な人だった。
スーパードライが好きで、常に酒を飲んでいた。
僕が入った時点で36歳くらいだったか。
げーつー氏はビールだけが趣味だった。
げーつー氏は会社に好きな人がいたけど、明らかに時期尚早の状態で告白しちゃって、
重めのプレゼントしちゃって、フラれた。
その人はもう別の人と結婚しちゃったけど、しばらくは好きな様子だった。
げーつーさんとは断じて馬が合うということではなかった。
でも、旅行も何回も行った。
尊敬できる先輩と、その奥さんと、仕事面では特に尊敬していないげーつー氏で一緒に行動することが多かった。
日常、旅行先問わず、げーつー氏は頻尿がすごかった。
頻尿というか、とにかくトイレに行きたいだけで、
すげー待たされたあげく「出なかったよー」と戻ってくる事が多かった。
あんまりすごいので、僕が運転してるとき、
げーつー氏が「トイレ行きたい」と言ってからSAを2個スキップしたり、
SAに置き去りにもした。(車複数台で行ったので、リカバリー可能)
実家に済んでた&貯金はたんまりあるんだから、マンション買ったらいいじゃんかとみんなに言われていた。
それもあってか、45歳くらいの時、某大手でベロッッパー新築マンションをキャッシュでかった。
計算したら、げーつー氏の給料を考えると、マジでほぼ趣味ビールだけだと買えるのが分かった。
買ったばかりのマンションに招待された僕は、風呂に「増えるわかめちゃん」を大量投入した。
1年間絶交された。でも1年きっかり経ったら普通に話できるようになった。
(もう7年も前か)
http://socceryarou.blog5.fc2.com/blog-entry-890.html
3年前の僕の結婚式には招待して、乾杯の挨拶をしてもらった。
増えるわかめのエピソードも話してもらい、そこそこ盛り上がった。
そのげーつーさんが亡くなった。
普通にアル中だったし、仕方ないなと思うけど、ちょっと早いなとも思う。
2週間くらい前に電話したとき、そろそろヤバいなとは思ってた。
でも、やっぱりちょっと早いなと思う。
リュックサックに常に10万入れていた。
何か面白くないことがあると「おもんもー」と言っていた。
キャバクラでは「松山さん」を名乗っていた。
車止めるたびに毎回トイレに行っていた。
そんな感じのつげさんが亡くなった。
さしてためになる話もしてくれなかったろうけど、存命中もう一回くらいは飲んでもよかった。
さらば、げーつーさん。
またいつか会おう。