小田原に移住したよ。

小田原移住日記

唐突な転職で小田原に引っ越した男の顛末

四国旅行記録 その3

3日目は少しだけゆっくり起きた。

7時。

出発は7時半だ。

坂本龍馬記念館は9時からなので,

それまで桂浜を散歩して,銅像見て。と言うコース。

おばちゃんは「歩いていけるよ」と言っていたけど,

ちょっと不安だったので,たまたま来た桂浜行きのバスに乗った。

バスが走ること10分程。

オバチャン,朝からそんなに歩けないよ。

桂浜に着くと,まだお店も開いてないし,観光客もいない様子。

早速,龍馬のもとへ。

実はこれがこの旅の一番の目的だった。

ずっと来たかったんだ。

思ったよりも像は大きかった。

色々な事を考えて,ちょっと感傷的になる。

歴史に「タラレバ」は無い。

でも,つい考えてしまう。

あの時代に彼らがあんな風に働かなかったら,時代は変わっていたのだろう。

誰かが同じ事をするかも知れないが,タイミングは違ったろう。

そうすれば,僕は生まれない。

彼らがいなかったら,ここには今誰もいなかったのかもしれない。

彼らがいたとしても,その人生が少し違えば,

龍馬が寺田屋で殺されていたら,大村益次郎がずっと医者のままだったら,

僕らはやっぱりここにはいない。

年表には出てこなくても,彼らに影響を与えた人は一杯いるだろう。

彼らもまた,歴史の歯車には必要な人達で,

今生きている人間には必要不可欠な存在だったのだ。

重要差にサイズの違いは無い。

そう考えると,今自分がここにいることは,

今までの歴史が一つ一つの選択を僕に向けてくれたからで,

そこが一つ違うと僕はいないという,

それはそれは途方もない確率の上に生きているということなのです。

そして,隣には同じような確率のもと,生まれてきた人間がいて,

そいつと一緒に旅行にくるなんてことは,もしかしなくてもスゴイことだと思い,

誰というわけでもなく「ありがとうございました」という気持ちになるのでした。

いずれ自分も歯車になるのかもしれない。

僕が頑張ると生まれる命もあれば,

僕が頑張らないと生まれる命もある。

「頑張ると生まれない」命にごめんなさいと思いつつ,

また色々頑張ろう。

と,万感の想いで出た

「自分がどういう犠牲の上に立っているのか考えるのは大事なことだよなあ」

(その前に,龍馬が暗殺された話をしていたので「犠牲」という言葉でした)

という言葉は,残念ながら隣の奴には一切届かなかったらしく,

「そんなの知らない」と言われてしまったとさ,ちゃんちゃん。

その後,坂本龍馬記念館を時間掛けてまわった。

Tはどうやら本当に坂本龍馬の事をほとんど知らなかったらしく,

龍馬の手紙がお茶目だったことに驚いた様子。

結構楽しんでました。

僕は当然勝手に一人で楽しんでいましたが。

時の経つのも忘れるとは正にこのことで,

バスの時間を間違えてしまい,大ピンチ。

9:50のバスにのらなきゃならないのに,記念館を出たのが10:00。

何故か10:06のバスがあると勘違いをしていたのです。

僕はバスのことより,Tの機嫌が怖い。

仕方ないのでTを置いてダッシュで坂の下のタクシー乗り場へ。

タクシーへ乗り込むと待たせていたTを拾い,高知駅へ。

良かった,何とか間に合いそうだ。

タクシーの運ちゃんが気さくな人で,

なおかつ僕の地元に知り合いがいるらしく,

ごきげんで話してくる。

僕は楽しく会話をしていたんだけど,

となりで正に「ムスー」とした顔をしているTがいるため集中できず。

最後に運ちゃんは名刺をくれた。

手紙でも送ろうかな。

ちゃんと電車に間に合い,そこから特急で琴平へ向かう予定。

Tは間に合ったので通常の機嫌に回復した様子。

快復では無いです。

時間が少しあったので,おみやげ屋さんでまた「土佐巻き」を買った。

昨日の居酒屋のからは落ちるけど,美味しかった。

特急南風に揺られ1時間半。

琴平に到着。

目的は勿論「金比羅さん」。

覚えてないけど,何だか喧嘩をして,

さっさと一人で山に向かうT。

仕方ないので30m位後ろから,様子を見守り歩く僕。

何やってんだ,自分。

そのまま改段を少し登ると,明らかにTのペースが落ちる。

まだ半分もないぞ。

仕方ないので追いつく。

ムスっとしてるが,気にしないで一緒に歩く。

中腹で一休憩。

神馬が2頭もいた。

かなりかわいい。

http://blog-imgs-31.fc2.com/s/o/c/socceryarou/dvc00231.jpg"かみのうま

そこから色々な神様を横目に,すたすた上がる。

完全にTはバテた。

この期に及んで面倒な事を言いくさったので,

ちょっとほったらかしにしてさっさと上がってしまった。

大人げないことしました。後悔。

頂上ではお守りを3個購入。

妹に学業成就,車に交通安全,祖母に金色のお守り。

金色のお守りは名物らしく,アピールされていました。

どっかの神社には銀色もあるらしい。

ポケモンみたいだ。

中身はあんまり変わらないのだろう。

その後,休憩所で休憩。

Tは休みたいとのこと。

僕は円山応挙の障壁画を見ることに。

人が全然いなかったので,ゆっくり見る事が出来た。

やっぱり虎が一番良かった。

右から3番目の,こっちを見てる虎がスゴイ。

休憩所に戻り,Tと合流して,山下り。

途中でTはお土産として「金のうんこ」を買っていた。

便秘の友達にプレゼントするらしい。

それは喜ぶだろうよ。

帰りのバスの時間を計算して,琴平で温泉に入ることに。

なかなか良い湯。

時間は電車まで1時間ちょいしかないので,色々な湯を少しずつ急いで回った。

良い温泉でした。

肌に良いらしいよ。

温泉を出てからちょっとTとモメる。

実はこの温泉,ホテルの温泉で,

入るときはちゃんと温泉用の入り口があったんだけど,

ある時間を過ぎるとホテルの出入り口からじゃないと出られなくなってしまうシステム。

知らずに出た僕は,どうしたものかと考えて,

オバチャンに聞いて先に外に出てしまった。

僕が出てTに電話すると,Tは丁度出るところ。

風呂を出た直ぐのところで待ち合わせをしていたんだけど,

僕はでてしまったので,電話で

「ホテルの出口からしかでられなくなってるから,そっちから出てきて。」

と言った。

Tは焦ってしまって「出口がない!」とか言ってる。

僕がちょっと戻ると,泣きそうなTがいた。

そのまま急ぎで駅へ向かう。

何とか電車に間に合い,電車の中で僕がまた余計なこと言っちゃう。

「そんな焦らなくても,なんとかなるんだから大丈夫だよ。」

これでTの怒りの導火線に火がついた。

空いてる電車の離れたところに座り,

俺が寄ると逃げる。

あーあ,やっちゃった。

あのときも後悔したけど,

こうやって文章にしてみると,

改めて僕が悪い。

約束通り待ち合わせの場所にいりゃよかった。

すまん。

目的地の宇多津駅に着いても一切無言。

そのままスタスタ歩きだしてしまった。

その差30メートルなんてもんじゃない。

最長75メートルは離れたね,実際。

僕がマラソン選手なら,これだけ開いたら諦める。

何とか跡を追ってガラス博物館へ。

さりげなく話しかけ,何とか会話に。

ガラス博物館はキレイなシャンデリアやら,

世界のガラス細工があって凄かった。

駅から遠かったけど。

駅の近くに立派なホテルがあったので,

そこの中にあるレストランでケーキセットを食べた。

そこでケンカの仲直りをすべく,話し合いをしたが,

結局決裂。

もう帰りのバスも近い。

頑張って修復。

自分で撒いた種とはいえ,なんだか本当に忙しかった・・・

帰りは宇多津発の深夜バス。

思ったよりも快適なスペースだった。

夜の瀬戸内海はものすごく綺麗で感動した。

後は,そのままバスが新宿に連れ帰ってしまった。

朝の新宿,スターバックスでゆっくりして,

帰った。

楽しかった。

もっと長く行きたかった。

楽しい時間はあっという間に過ぎるから,

旅行中は「あっという間だぞ」と自分に言い聞かせていた。

それでもやっぱりあっという間だったのだ