小田原に移住したよ。

小田原移住日記

唐突な転職で小田原に引っ越した男の顛末

小田原に移住して半年が経った。現状報告。

小田原に移住して半年が経った。

いまんとこ特にストレスは無い。生活リズムが安定したことで、むしろ健康になっている気がする。

そもそも、自分としては母方の実家がある新潟の田舎がめちゃくちゃ好きなので、「田舎の暮らしの方が自分に合ってるんではないか」と思っていた。

そんなことを誰かに言うと、娯楽が無いことや閉鎖的な地元民などを挙げつつ、「田舎に住んだことないからそう思うんだよ」とか「たまに行くのと住むのは違うから」と言われることが多かった。それはそれで、そうかなあと思うこともあった。実際正しくもあるだろう。虫あんまり好きじゃないし。

ただ、そういう意見だけでは「体験してみたい欲」を抑えるにはいたらない。何か一番ネックだったかと言えば、やはり収入だ。人間、ご飯食べれないと実は死ぬ。仕事が無いと困る。

そんな障壁がまさにひょんなことから解消したのが今年の2月。小田原の会社で働けることになった。僕の人生の中に「田舎暮らし」を実際に体験させてくれる縁があったことはありがたい。快く送り出してくれた会社に感謝しているし、採用してくれた会社、決断を尊重してくれた家族には感謝するとともに、いずれは「お前ら感謝しろよ~」と偉そうに言えるような役割を果たさなくてはいけないな、と思う。

仕事の話は置いといて、生活の話。

とてもいい感じだ。一番気に入ってるのは高い建物が無いこと。山が見える。富士山も見える。空が広い。唯一の難点は鳥が多いことだ。前も書いたが鳥フンがすごい。車にもかかる。

でも概ねは満足している。おいしいアイス屋も見つけたし、小田原での友達もできた。この前は小田原が誇るDEEPスポット「宮小路」ではしご酒してきて超楽しかった。だいたいどこで食べても魚はうまい。

これが食べたきゃあの店みたいな感覚も徐々に養われてきている。もっといろいろな店を発掘したいなあ。

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▲小田原にある「墓石のドライブスルー」

湘南地域に唯一の酒蔵|熊澤酒造による「KUMAZAWA SAKAGURA FEST 2018」へ行った話

湘南地域唯一の酒蔵、熊澤酒造による祭り

10/6,7,8で開催されていた、湘南地域唯一の酒蔵「熊澤酒造」によるオクトーバーフェスト。会社の方に誘っていただいて、行ってきた。

相模線の香川駅というのが最寄り駅。初めて乗ったよ、相模線。単線。駅前にはソバ屋が1つと障子が焦げた民家くらいで、他には何もない。

駅から住宅街を歩く事7分ほど。熊澤酒造があった。入り口のあたりには「MOKICHI」と書かれた古い機械が。社長の名前が「茂吉」らしい。

11:30開場で、僕らが到着したのは10:45頃。駐車場には、既に行列ができていた。この日は台風の影響によるフェーン現象とやらで、異常な暑さになっていた。並んでる人はみんな汗だくだ。早くビール飲みたい。

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▲開場前の行列。とにかく暑い

開場。チケット購入。場内へ

ようやく開場。前売りチケットもあるらしいが、僕らは買ってなかったので、その場で購入。1人5千円。それでフード&ドリンクチケットが11枚と、グラス1つがついている。グラスは熊澤酒造のロゴであるエボシ岩のマークが入ったもので、そのまま持って帰ることができる。ロゴの色は毎年違うらしい。

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▲グラス。置いてある絵もおしゃれ
▲グラス

開場は熊澤酒造の敷地内、複数のレストランと、中庭がある。レストランは通常営業もしているらしい。

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▲良い雰囲気の会場

蔵元料理 天青(和食)、MOKICHI TRATTORIA(イタリアン)、mokichi wurst cafe(カフェ)があり、この日はそれぞれで異なる種類のビールやお酒を提供している。

特徴的だったのは、敷地内の雰囲気の良さ、カッコ良さ。それぞれの建物は古いが、清潔感があり、古さを感じさせない。置いてある道具も雰囲気があって良い感じ。

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▲水が出ている

飲み物ラインナップ

飲み物は1杯チケット1枚。食べ物は物によってチケット枚数が違う。追加チケットは5枚2,000円と10枚4,000円。カフェで売っているパンや、ソフトドリンクなどは現金で買える。

ビールは11種類。結構フルーツ感の強いものが多い。僕はどっちかというとフルーツ感は少なめなのが好きなので、「アルト」という琥珀色のやつがおいしかった。日本酒は「天青」、「かっぱの純米吟醸」の2種類があり、どちらもおいしかった。

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▲豊富な種類の飲み物

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ポートレートモードでの撮影に失敗し、心霊風になった日本酒

食べ物も種類が豊富。一番おいしかったのは外で焼いていたソーセージ。

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▲ここのソーセージがおいしかった

混雑具合と席確保の重要性

この日は3連休の中日で、一番混む予想だったらしい。それにしても人が多かった。何回か参加したことがある方も「今年は人が多い」と言っていた。椅子もほぼ埋まっており、立ったままの人もパラパラ見かけた。開場から30分くらいまでは割と席に余裕があるように感じたので、朝11時くらいを狙っていけば良いと思う。

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▲灼熱のテラス席

あと、席取りも大事。オクトーバーフェストだし、屋外で飲みたかった僕らはテラス席を確保したんだけど、この日は失敗だった。とにかく暑い。パラソルがある席ではあったけど、太陽の位置と共に影が移動し、日陰を外れた瞬間に灼熱。僕はおもに右半身を焼かれる感じで、日焼けセンターマン状態になってしまった。

あまりの暑さに耐えかねて店内の席を探したけど、その時にはもうすでに満席となっていた。暑い天候の場合は、雰囲気よりも実利重視で屋内の席に座っておくほうが無難だと思う。

総括

ビールは流石酒蔵という味。特に日本酒は本当においしかった。人がとても多かったので、祭り感があってよかった。一方で暑さは非常に過酷だった。帰りは茅ケ崎で2次会して帰宅。

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▲チラシ

小田原・超ローカルグルメ|たべものや旬菜

小田原飯泉地域の超ローカル居酒屋「たべものや旬菜」

存在は知っているが、なかなか入る機会のない居酒屋がある。「たべものや旬菜」は僕にとってそういう居酒屋だった。

通りがかりで「店があるな」とは思っていたが、店の中は見えないし、言っちゃ悪いが「ハズレの可能性」をウッスラ感じる店構えだったので、入ったことは無かった。

ネットの口コミを見ると、googleMAPに1年前のが2件だけ。いずれも★5だが、1件はコメント無し。あまり当てにならない。Rettyは口コミ0。食べログ、HOTPEPPERに至ってはページすら無い。

しかし、先日たまたま自宅にご飯が無い日があり、思いつきで入ってみることにした。

入店

店内はカウンターが10席ほどで、席は1つだけしか空いていなかった。そこに座る。テーブル席は1つで、明らかにガテン系の人たちが座っていた。

席に座ると、隣のおじさんが話しかけてきた。4月に小田原に移住してきたこと、この店が気になっていたことを話すと、自分のことも色々話してくれた。名前はOさんで、小田原在住35年の大先輩。職業は大工さんとのことだ。ちなみに、カウンターに座ってる僕以外の人は全員常連さんで顔見知りだと言う。

カウンターの中にはママがいて、カラオケもある。かつてはスナックだったのではないか。

お通しの野菜炒めを食べ、ビールを飲む。お刺身は「スミイカ」だけあったので、それを注文。1人前用のサイズにして、値段も安くしてくれた。そして旨い。「小田原刺身どこで食っても旨い説」がまた立証された。

大工さんの隣に座った女性は美容師さんで、病院で患者さんの髪を切っているらしい。その後に来たおじさんは子供のころから飯泉観音の近くに住んでいる職人さん。来週おみこしを担がないか、と言われたが、予定があったので辞退。

このように初対面の僕にも色々な話をしてくれる人が多く、とても楽しかった。

常連さんの一人が「誰かカラオケ歌えよ!」と言うと、Oさんが歌い出した。何の曲かは忘れたが、上手かった。Oさんは横浜でかつて働いていて、そこの職場でカラオケ大会が毎月あり、そこで鍛えられたという。ママによれば、カラオケを始めるときは、いつもOさんが景気づけに最初の1曲を歌ってくれるのが定番らしい。

僕は1杯目のビール以降、Oさんが自分のウィスキーボトルのお酒を「飲んでいいよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えた。僕がグラスにウィスキーを入れると、Oさんが炭酸水を足して、マドラーでかき混ぜてくれる。やさしい。

結局たくさん食べて飲み、「なんか歌いなよ」と言われ、サザン1曲歌って上機嫌で帰宅。良い店だった。

小田原超ローカルの魅力

一見入りにくいが、入ってみるとめちゃくちゃ暖かな店&ご飯がおいしかった。いくつか他のお店も教えてもらったので、開拓してみたい。

余談だが、この前鴨宮駅からタクシー乗り場に並んでいたら、後ろに並んでたおじさんに声をかけられた。そして方面が近かったから、一緒にタクシーに乗って帰ったんだけど、そのおじさんが建築関係の仕事をしていて、「旬菜のママの家は俺が建てたんだよー」と言っていた。世間は狭いなあ。

【小田原からも近いよ】湯河原の名物ラーメン店「飯田商店」に行ってきた。

湯河原の有名ラーメン店「飯田商店」へ行くことにする

健康診断で平日の朝から湯河原へ。12時過ぎに終わったので、昼ごはん食べてから帰ることにした。

そういえば、湯河原には超有名なラーメン屋があると、会社の人に聞いたことがある。「飯田商店」だ。ガイアの夜明けをはじめ、様々なメディアで取り上げられる人気店。食べログのラーメンカテゴリでは全国6位。神奈川県では1位だ(2018/10/4現在)

評判では「いつも行列がスゴイ」「整理券が無いと食べれない」ということだが、一応行ってみることにした。

駅から徒歩で10分弱。住宅街のど真ん中にある。お世辞にも「良い立地」とは言えない。

お店の近くまで行っても、行列は見えない。人気が無くなっちゃたんだろうか。googleの混雑情報を見ると「比較的空いている時間帯です」とある。もしかして、並ばなくても入れる?

という淡い期待は、店到着と同時に打ち砕かれた。道路からは見えないが、お店の脇にちゃんと待機スペースがあって、そこに30人くらい並んでいた。

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▲お店の外観。写真の右側が待機スペース

整理券も何もないが、とりあえず最後尾に並んでみる。人が話している会話を盗み聞きするに、どうやら整理券は無くても大丈夫らしい。ラッキー。

壁には整列には各種の注意書きがされている。主な内容は下記の通り。

  • 並び方について(食券の購入など)
  • 整理券について(必要枚数だけもらってね)
  • 並びながらの喫煙はNG
  • 騒音注意(しゃべり声、喫煙)
  • 店内の撮影について(店員や他の客が写らないように)
  • 駐車場について(指定の所に停めてね)

数は多いが、よくある押しつけがましい文体ではないので好印象。

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▲注意書きの数々

券売機は店内にあるが、先に券を買う必要は無い。というか、買っちゃダメっぽい。まず列にならび、前の人から順番に店内に入って購入するスタイル。

待機列はもうすぐお店に入れるイス席が15席ほど。そこより後ろは立って待つ。20分ほど待つと、イス席に座ることができた。列が進み、新たにイス席に座れた人の先頭から、席を立って店内まで食券を買いに行く。買ってきたら元のイス席に座って待つ。僕も、前の方が食券を買って戻ってきたら、店内に食券を買いに行った。

お店の中に入って見渡すと、ちょっとお高めの和食屋さんのような雰囲気。ラーメン屋っぽくない。

券売機を見ると、メニューは大きく3種類。醤油、塩、つけ麺。あとはワンタンとか、チャーシューがオプション。僕は朝から何も食べておらず、とにかくお腹が減ってたので、ワンタンとチャーシューが両方乗った「醤油ワンタンチャーシュー麺」にした。値段は1,400円と高い。

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▲食券

再びイス席に並んで間もなく、和服のような制服を着た女性の店員さんが食券を回収しにきた。そこから待つこと20分ほど。順番が来て、店内に入ることができた。カウンターに座る。店内には「立地が良くてもお客さんが沢山来るとは限らないし、立地が悪くてもお客さんが来ないとは限らない」的な格言が書いてある。説得力があるな。店内は清潔。

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▲清潔な店内。麺を入れる箱もかっこいい

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▲こだわりポイントが記載されている
ラーメン作りの工程はほぼ大将が1人で行っているらしい。大将は手を止めることなく忙しそうだったが、手さばきが正確で、見ていて楽しかった。

僕のラーメンができて、大将が渡してくれた。カウンターにはお盆が置かれているので、そこに置く。ワンタンが2つ入っていて、大将が「左が鶏、右が豚です。」と説明してくれる。丁寧。

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▲醤油ワンタンチャーシュー麺

ラーメンの感想。僕の人生NO.1ラーメン(2018年10月現在)となりました。

スープはやさしい醤油味。ケミカル感一切なく、すっきりした味わい。一番驚いたのは麺。細麺で、やわらかめだけど、伸びてるわけじゃない。独特な食感。よくラーメンの評価で、「スープに麺がよく絡む」と言うのを聞くが、まさにそんな感じ。麺がスープを纏っているのが口の中でわかる。新体験の食感だった。チャーシューは良くある「しっかり煮込んでいて味が強い」という物ではなく、味付け控えめで、肉の風味が強い。豚バラ、鳥肉も入っていたが、どれも丁度良い塩加減でとても良かった。ワンタンは鳥も豚もしっかり「肉が入ってる」と感じるもので、すごく良い。

結論としては、「僕がこれまで食べたラーメンの中では文句無しでNO.1」というもの。本当に美味しかった。値段はラーメンとしては少し高いが、これだけ手間かけてたらそうだよね、って納得できる味。大満足でした。

小田原駅から湯河原駅までは東海道線で20分。すぐにいけるので、また近いうちに食べにいきたいと思う。混雑状況(整理券の状況)や休みはお店のtwitterでチェックできるので、行く前に見とく方がよいと思った。平日でこれなら、休日はヤバそうだ。

14年前のミリオン出版との思い出

ミリオン出版が無くなるらしい

この記事を読んだ。あのミリオン出版が無くなるらしい。親会社に吸収されるとのこと。

tablo.jp
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ミリオン出版。「実話ナックルズ」などのタブー系雑誌や、「URECCO」などのエロ本で有名な出版社だ。

今から14年前、僕は実はミリオン出版に入社するところだった。

就職活動、そして内定辞退へ

僕が就職活動を始めたのは大学3年生だった2003年の10月頃。本当は出版社に入りたかったんだけど、名前の通った出版社の入社試験は僕にとって難しすぎて、箸にも棒にも引っ掛からなかったので、心が折れていろんな業種を受けまくった。その結果、証券、ベンチャー、ITなど、出版と全然関係無い企業からいくつか内定をもらった。

一瞬ホクホクしたが、でもなんだかやっぱり出版社で編集がやりたくなって、7月末で全部の内定を断った。自分の周りでは、6月くらいで就活を終える人々が多かったので少し不安だったけど、幸い実家住まいだし、アルバイトでも死にはしないだろうと考えた。それよりも出版社で編集者として働いた実績を作っといた方が良いだろうと思ったのだ。

そして、8月から出版社の編集職だけに絞った就活を再開。当時、出版系の求人は朝日新聞の求人欄の方がリクナビやらより件数が多かった。そこで朝日新聞の求人欄に掲載されている「出版社」と名の付くものにかたっぱしから書類を送付。その中で出会ったのが「ミリオン出版」だった。一応社名を調べて、成人誌メインなのはかろうじて面接前に気づいたが、朝日新聞に求人出してるくらいだから、「意外と普通な会社」を想像していた。

が、やはり結構変わった会社だった。

ミリオン出版の特殊面接

面接当日。ミリオン出版は市ヶ谷のお堀沿いにあるビルに入っていた。フロアに入ると、いかにも編集部な感じ。並んだ机に、席を区切るパーミッションもなく、グチャグチャに物が置かれた机の上。「おお、これが編集部!」とテンションが上がった。

面接ということで、脇の応接スペースに通される。部屋ではなく、ついたてで仕切っただけのスペースだ。

少し待つと、面接官3名が入場されてきた。2人は普通体型のおじさん。1人は凄く太っていた。3人とも、テレビドラマの雑誌編集者みたいなカジュアルな恰好で、これまでの就活では出会わなかったタイプの大人だった。

簡単な挨拶を済ませると、普通体型のうち一人(以下A)が、目の前の僕のテーブルに本を3冊ポイっと置いた。2冊はエロ本、1冊はなんかアウトロー系の雑誌だったと思う。そして、本を置くなり「入ったらこのどれかを担当してもらうよ」と言った。「はい!分かりました!」と即答した僕に、Aさんは言う。

Aさん:ご家族は理解してくれそう?
僕:大丈夫です!
Aさん:彼女はいるの?
僕:います!
Aさん:彼女は大丈夫?エロ本だけど。
僕:大丈夫です!

特に家族にも彼女にも事前に了解を取った分けではないが、そもそも取る必要が無いと思っていたので、淀みなく答えることができた。今欲しいのは出版社の編集者として働ける内定のみ。

すると徐々に質問の方向性が変化してきた。

Aさん:エロ本は読んだことある?
僕:あります。
Aさん:好きなエロ本はある?
僕:デラべっぴんです!

正直、デラべっぴんが好きなわけでもなく、読んだこともほぼ無かったが、ワードのインパクトですぐ頭に浮かんだのが「デラべっぴん」だったのだ。ありがとう「デラべっぴん」。アゴなしゲンさんがパンチを出すときの掛け声でもある。

就活の面接本も何冊か読んでいたが、好きなエロ本を聞かれる場面が掲載されているものは当時無かったように思う。

そこで、太っちょ(Bさん)がようやく会話に入ってきた。

Bさん:じゃあ好きなAV女優は?
僕:紋舞らんです!

これはデラべっぴんと違い、マジで僕が当時好きだった、松浦亜弥さん似で一世を風靡した女優さん。この名前はスっと出てきた。それを聞いたBさんがなぜか後ろにのけ反って大爆笑。

Bさん:じゃあロリコンだ!!!!
僕:そうです!

これは紋舞らんさんの名誉のために言うが、断じて私はロリコンではない。紋舞らんさんは当時すでに二十歳を越えた大人のレディであった。しかし、ここで「ロリコンではありません!」と必死に否定したところで、僕の話術では面白くできない。乗っかっといた方が賢明、という判断をしたのだ。内定欲しさに僕は魂を売った。

上記のようなやり取りを経て、必要以上にガッチリとした手ごたえと共に面接が終了した。

結局面接はこの1回だけで、無事内定を獲得。当然の結果と言える。

面接中の気になる声

前述の通り、面接は編集部の一角をついたてで仕切ったスペースで行われていたため、基本的に編集部で話している声は丸聞こえであった。誰かが電話を取り、受話器の向こうの相手と話出した。

「あ、お前何ヶ月も連絡取れなかったじゃん。何してたの?」

相手は社員か編プロか知らないが、とにかく数ヶ月連絡が取れなかった人と話しているらしい。そして次の言葉が、

「え!性病!?大丈夫?」

男子大学生がジョークで言う感じではなく、リアルガチの病を心配するトーンであった。面接中だったので、その後ずっと聞いていることはできなかったが、声がめちゃくちゃデカかったのと、パンチのあるワードだったので非常に印象に残っている。

もう一つの内定

目的である「出版社の編集職の内定」をゲットしたので、心はホクホク。就活は終了してもよかったが、もう1社選考が進んでいる企業があった。それはミリオン出版と同じ市ヶ谷にある某教育系出版社「Z社」だった。

次最終面接だし、ミリオン出版の内定受諾は少し待ってもらって、Z社も受けとくことにした。Z社については、ジャンルこそ興味はあまりなかったものの、歴史ある出版社で本作りが学べるというところは魅力的に感じていた。

入社試験が始まったのはZ社が早かったが、ミリオン出版と違って1次、2次、最終と3回も面接があったので、途中で逆転していた。

Z社の最終面接当日、課題の作文を書いたあと、役員が並んだ部屋に順番に通される。面接は圧迫もなく、なごやかな感じだった。僕は最早落ちたらミリオン出版に行くだけという気持ちだったので、心の余裕もあったと思う。

役員:あなたはどの教科の本が作りたいですか?
私:国語が得意なので、国語の本が作りたいです!
役員:そうか、残念だけど、うちは国語の本は出していないんだよ。

役員:国語が得意なんですか?
私:はい!
役員:でも、SPIの結果は国語より算数の方が良いね。

こんな調子だったので、手ごたえはスッカスカ。全員の面接終わるまで待合室で待たされるが、待合室には15人くらいいた。教育系の出版社だけあって、他の受験者はみんな賢そうだ。「こりゃダメだな」と感じる。

全員の面接が終わり、総務の人が結果報告には1週間程度かかること最後に「この中に他に内定をもらっていて、早く結果が知りたい方はいますか?」と言った。ミリオン出版を待たせている僕は、スッと手を挙げ、自分の名前を告げた。他に誰も手を挙げる者はいなかった。

そして、意外なことにZ社から内定が出た。何故だ。最後に「結果を早くほしい」と言ったことで、レア感を出すことに成功したのだろうか。のちに判明するが、あの待合室にいた中で受かったのは僕だけだった。

究極の2択~エロと教育のはざまで~

思いがけず出版社の内定を2社保有した僕は、真剣に悩んだ。どっちも良すぎて。エロ本か、教科書か。ジャンルの振り幅がデカすぎて比較できない。「どっちでもいいから行った方で頑張ろう」の心境であった。それにしても決めなくてはならない。

参考までに当時サッカー仲間でエロ本編集者として活躍されていた人にメールで質問。「エロ本の編集ってどんな仕事ですか?」と聞くと、「エロ本は、自分でカメラ持ってナンパして撮影とかあるから結構大変だと思うけど、実力は付くと思うよ」とのこと。「付くのはナンパの実力と編集者の実力のどちらですか?」と追加質問したところであまり意味が無さそうなので、「ありがとうございます」と伝えた。とにかく貴重な情報を得た。道行く女性をナンパし、初対面にも関わらず素っ裸の写真を撮影させて頂く。これまでの人生には無いことだが、それだけに中々やりがいはありそうだ。(その人ものちに実際編集者として確かな実績を築いている)

究極の2択で迷っている最中。当時付き合ってた彼女と一緒にコンビニへ行ったとき、「ああ、これだ、この雑誌」と言って「URECCO GAL(ミリオン出版刊)」を手に取った。「ほんとにこれ?」と言いながらも、「やりたいならいいんじゃない?」と言ってくれた。とても感謝している。(その後ベコベコに振られて長期引きずることになるのは別の話)

決断

悩んだ挙句、最終的に僕は「よし、退職金があるほうにしよう」という、「この期に及んでそれ?」という実に堅実な決断を下し、Z社に入社することにした。その決断が僕にとって正解だったかどうかが分かるののは最短でも死ぬときだと思うけど、敢えて途中経過として言えば、「良い決断だったなあ」と思っている。それは、Z社がとても良い会社だったこともあるし、Z社も、そのあと転職した会社でも良い出会いがあったから、というのが理由だ。

なんてことを思いながらも「あの時ミリオン出版に行ってたらどうなってたんだろう」と2年に1回くらい思うことがある。もしかしたら腕利きナンパ師として巷にあふれた黒ギャルどものショートパンツをちぎっては投げ、ちぎっては投げしていたかもしれない。それはそれで最高にイケているなあと思う。

そんなわけで、僕にとって少なからず思い出があり、恩もあるミリオン出版。あんまり家で読むことは無いが、出張の新幹線や飛行機では「アサヒ芸能」や「裏モノJAPAN」などと合わせて、「実話ナックルズ」はよく読む。

会社が無くなってしまうのは残念だ。ただ、出してる本が無くなるわけではないとのことなので、あんまり変わらないのではとも思う。今後も出張の時には買って応援したいと思う。

1日で「カメラを止めるな!」と「プーと大人になった僕」を観た話@小田原の映画館

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カメラを止めるな!」ようやく観れました@TOHOシネマズ小田原

凄く話題になっているのは知っていたから、どうしても観たかった「カメラをとめるな!」。小田原では鴨宮の「ダイナシティ」にあるTOHOシネマズで上映している。週末中々時間が取れなかったが、遂にこの前の土曜日に観に行くことができた。

朝起きてTOHOシネマズの空席状況を見てみると、ガラガラ。さすがの感染力も、小田原に来て若干勢いを弱めたか。ゆっくり準備して、車でダイナシティへ向かう。駐車場へ車を止めて、映画館の中へ。

初めて入ったけど、綺麗で静か。大体ショッピングモールの映画館て華やかなお店の間を抜けてようやくたどり着く必要があるけど、ここは入ったらすぐ映画館で、気が削がれなくて良い。

券売機でチケットを買う。朝見たときより席が埋まっているが、それでも全体の8割は空席だ。のんびり見られそうでありがたい。朝ごはんは家で食べてしまったので、ホットコーヒーだけを買って、上映部屋へ。

感想。軽微なネタバレあり

ハードルは上がり切った状態で見たけど、面白かった。そんなに深く考えずに観ることができる映画。娯楽として良い。

全員知らない役者さんというパターンは新鮮だった。でも、だからこそ前半で演じた役柄と、後半の役柄のギャップをより強烈に感じるのだろう。こちらが持っている情報が無い、無名の役者さんだからこその効果だと思う。あと、偉いおばちゃんの顔のインパクトがすごかった。

演技はちょっとばかり大根なところもある俳優さんが多かったが、さして気にならない。話が面白ければ、その辺りもカバーできるんだろうと思う。ここまで大きく当たったのは運という言葉に近い細かな事象の噛み合わせの結果だと思う。でも、注目に値する面白さの映画であることは間違いない。低予算で本当に見事だし、上田監督や出演者の方々の次の活躍も気になる。

もうみんな観たと思うけど、これから観る人へ

序盤のカメラの手振れでちょっと気持ち悪くなってしまった。伏線が大事な映画なのはなんとなくわかっていたから極力見続けていたかったんだけど、途中ちょっと耐えられない時間があって、目をつぶったりしてやり過ごした。僕は強めのブランコで酔う三半規管ヨワヨワ人間なので、普通の人は平気かも。でも、乗り物酔いする人はなるべく後ろの方で見るとか、気持ち悪くなったら無理せず目を閉じるなどして自衛した方が良いと思う。37分我慢すれば、あとは大丈夫。

この日2本目の映画、「プーと大人になった僕」を観た@小田原コロナワールド

劇場で映画を観たのは「シン・ゴジラ」以来。「カメラを止めるな!」が面白かったことに加え、空いてて過ごしやすかったこともあって、すごく満足した。14時くらいだったので、もう1本何か観ようと思いたつ。

そういや、予告編で「プーと大人になった僕」が流れていた。クマのプーさんの映画だ。同じTOHOシネマズで上映している。ただ、吹き替え版のようだ。スマホで評判を調べてみたら、「大人になったクリストファー・ロビンの声が堺雅人さんで、途中から半沢直樹としか思えなくなった」的な感想がチラホラ。それはちょっと嫌だなと思い、字幕版を上映しているところがないか調べたら、車で5分ほどの「小田原コロナワールド」で上映していることが判明。そっちに移動することにした。

車で「小田原コロナワールド」へ。初訪問。1階はパチンコ屋、ゲームセンター、カラオケ。あと食事ができる場所が少しだけ。10代と思しき若者が友達と一緒に遊んでいる姿が目につく。映画館は2階。

まだ上映まで1時間ほどあるが、中年男性1名で時間潰すにはちょっと辛い。お腹は空いていたが、コロナワールドの食事処はあまりそそられなかったので、車で5分ほどのところにある「がってん寿司」で腹ごしらえ。そして再訪問。

映画館の入り口でキャラメル味のポップコーンとコーヒーを購入し、上映部屋へ。こちらもお客さんはまばら。

キキララ事件

席に座り、ポップコーンとドリンクを設置。準備万端。そこでふと思う。プーさんの映画ということで気楽な気持ちで観る気でいたが、さっきの予告編ではちょっと感動ポイントもありそうだった。

僕は元来涙腺が弱めの人間ではあるんだけど、加齢とともにちょっと悪化している。あんま言いたく無いけど、井の頭公園の花子が死んで、お花を上げに言ったときに号泣してしまったほど。大人なのに。

つまり、今の自分の感動耐性に全く自身が持てない。万が一を考えて、涙を拭くハンカチを持っとこう。と思っていつも持ってるカバンをごそごそしたら、一枚のミニタオルが出てきた。サンリオの「キキララ」がプリントされてる、すごくファンシーなやつ。タオル置き場の上に置いてあったやつを、柄を確認せずに持ってきてしまったのだ。

キキララのミニタオルを握りしめながら、くまのプーさんの映画を一人で鑑賞する男性(36歳)

時代が時代なら無期懲役まであるなと思いながらも、背に腹は変えられないので、そのスタイルで鑑賞することにした。

プーと大人になった僕」感想。ネタバレあり

プーさんやイーヨー、ティガー、ピグレットなど、かわいいキャラクターがタオル地のぬいぐるみみたいな不思議な質感で動き回る。

大まかなストーリーは、予告編をみればだいたい想像できるようなもの。大人になり、ブラック企業の中間管理職として働くクリストファー・ロビンが、いよいよ無理難題を突きつけられて腐りかけの所、プーさんと再開して一度は邪険にするものの、徐々に心を取り戻し、家族の大切さに気づく。最終的には会社の課題も解決する。って感じだ。

正直最後の会社の課題が解決するあたりは強引だったけど、まあそこはそんなもんだよね。ハッピーエンドでよかったなと思った。

プーさんの言葉はとても良い。

「なんにもしない」って最高の何かにつながるんだ。

とか。
俺もプーさんみたいに生きたい!と思いつつも、僕を知る人からは『お前はもう十分「なんにもしない」をやってるよ』と言われそう。

嗚呼残念。ゲンナジー・ゴロフキン×サウル“カネロ”アルバレスⅡ

ゴロフキン×カネロⅡ

1年前に激戦を繰り広げた両者の再戦、ゴロフキン対カネロは、残念ながらカネロの判定勝ち。拮抗した良い試合だった。僕はドローだと思ったけど、もう一回見たらまた違うだろうと思う。

序盤からカネロのボディショットが良く当たる&ゴロフキンが下がる場面が多かったのが印象的。後半はゴロフキンが良くパンチを当てていたけど、当たってもカネロが全く下がず打ち返す。

この日のゴロフキンは中盤以降足が踏ん張れておらず、上体も上がり気味になっていて、あまり力を込めたパンチが打てていなかった印象。これが衰えなのか、序盤のボディが効いたのか。

今までゴロフキンと戦う相手は「下がらず打ち合う」と言って試合に臨んでは、スト2の負けたキャラみたいなボコボコの顔面にされるのが常だった。でも、カネロは今回真正面に立って、ゴロフキンに圧力をかけ続けることができていた。それが勝因だと思う。誰でもできることではない。

「逃げ回った」と言われた前回の試合でさえも、カネロはある程度ゴロフキンとの打ち合いをして、そこそこいいパンチを当てることに成功していた。それを考えると、結果はあんまり驚くべきものではないと思う。

前回の試合で自信をつけたカネロ。ドーピングまでする必要はあったのか。そういうのは本当にやめてほしい。ドル箱スターはやらかしても大した制裁もされないのは社会の常なのだろうか。同じ「汚染された牛肉」を食べたネリが可哀そうになるような寛大な処分。嫌だなあ。ミドル級最強のゴロフキンに勝ったカネロ。確かに強かったけど、全く好きになれない。

村田選手のビッグマッチはどこへいく

だいたいどのスポーツ新聞を見ても、「村田選手対ゴロフキン消滅」というような事が書いてある。村田選手自身もそれを認めつつ、カネロとの試合実現には越えなくちゃならないハードルが高いと話している。ロマゴンが負けちゃった時の井上選手の気持ちがわかるというボヤキもあったとか。

確かにそうなんだけど、今のミドル級、ゴロフキン以外にカネロが大儲けできる相手が見当たらないというのはある。そしたら、金メダリストでタイトルも持ってて、タイプ的に相性が良さそうな村田選手は、見方によってはオイシイ相手として映るのではないか。もちろんプロモーターや開催地の問題もあるからそんな単純じゃないと思うけど、絶対無いとも言い切れないと思う。

お願い、メイウェザーさん

僕は村田選手がとても好きで、応援しているが、昨日の試合を見るとやはりカネロとは超相性が悪そうだし、勝つのが結構難しそうだなと思う。カネロに勝てる人。ここは、かつてカネロに唯一黒星をつけたメイウェザーさんに復活してもらうしかない。あの試合のメイウェザーは本当にすごかった。カネロのパンチだけが全然当たらなかった。

そのメイウェザーさん、渋谷で撮った写真をインスタにアップ。スト2のステージのような柄の服を披露されている。ダルシムサガットが戦っていても全く違和感が無いと思う。

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噂されるのはパッキャオとの2回目の戦いだけど、正直もはやあまり価値のある試合とは言えない。見るけどさ。