三角結婚式
当日。
式場は大学のチャペル。
三角の母ちゃんは久しぶりに会ったけど,全然変わらん。若い。
親父さんは三角に似てた。似すぎ。
久しぶりに大学の中に入ったので,なつかしかった。
チャペルに入ったのは卒業式以来。
式は滞りなく進んだ。
外に出てフラワーシャワー。
よしこはウェディングドレスがとても似合ってて,美人だった。
この日は大学でTOEICの試験があったので,
試験終わりの学生から注目を浴びていた。
みんな写メール撮ってた。
三角の制服も特徴的だったから,目立ってた。
披露宴会場へはバスで向かう。
一番緊張した面持ちなのは,二次会出し物でメインを務めるフキー。
俺は,動画出演なので,もう既に仕事を終えた感があり,
今回は披露宴の時点で心の余裕があった。
披露宴の出し物は,新郎職場の皆さんが,
職業柄の体育会のノリで,がんがん前に出てきて盛り上がった。
新婦の出し物は,○×形式で新郎新婦に色々質問していくというもの。
ありがちではあるけど,ほほえましい雰囲気。良かった。
披露宴終了し,二次会会場へは徒歩で向かう。
川沿いにある,良い雰囲気の店。
さあ,勝負の時間でございます。
新婦友人の幹事二人は披露宴には出ていなかったので,先着していた。
司会は俺とフキーとHさん(新婦会社友人)。
新郎新婦は15分ほど遅れて入場。
やんややんや。
最初は新婦の出し物。
クイズ形式で,新郎新婦にプロポーズを再現させたり,チューさせたり。
この時点で三角はベロンベロン。
言葉のキャッチボールが困難に。
次,ケーキカット。
そんでいよいよ,サッカー部の出し物の番。
スクリーンに映し出される,懐かしの写真。
サッカー部の人間は最早誰もこれが出し物だとは思わなくなった。
切り替わる画面。
映ったのは三角の家の玄関。
式の数日前。
夜に集まったのは俺,すーさん,しゅん,フキー。
すーさんが車で三角を呼び出す。
「よしこには内緒で手紙を書いてほしい」という理由。
ファミレスですーさんが三角を引き留めている間,
残りのメンバーで三角んちに突撃。
予め嫁のよしこには話をしておいて,中に入れてもらった。
フキーがカメラをまわす。
撮られるのは基本俺ということになった。
まずシャワーを浴びるシーンを撮影。
演出家のしゅんが色々なポーズを要求するものの,
放映不可能な物体が映りこんでお蔵入りだけは避けたいので,そのあたりに注意した。
シャワーを浴びた後は,よしこに三角のパンツと,いつも使ってるタオル,パジャマを持ってきてもらう。
三角はいつもイングランド代表のユニフォームで寝てるらしい。
ポリエステル100%じゃ全然汗吸わないだろ。綿にしろ綿に。
試合後みたいな匂いがした。
次は歯磨き。
ここが一番ガッツを使った。
三角がいつも使ってる歯ブラシを前に,気持ちを集中。
ためらいは禁物。
桑マンよ,俺に力を。
ごしごしごしごし!
気合いを入れてブラッシング。
「あ~三角の味~」などのセリフ も入れ,中々インパクトのある映像に仕上がった。
その後も,夫婦の寝室で○○したり,
エロガシャポン使って○○したり,
またエロガシャポン使って○○したりしました。
途中から楽しくなって,好きなことしてた。
二次会会場。
結果は・・・
盛り上がりました!
すーさんの時はやり過ぎて若干引かれた感もあったけど,
今回は比較的全体として盛り上がっていただけたかと。
特に新郎職場の体育会系公務員の方達からは好評で,
ちょっと上の方からは「お前ウチに欲しい!ウチに来い!」と言われました。
良かった・・・
ちなみに撮影の日に履いた三角のパンツはそのまま履いて帰っており,この日も履いてきてた。
換えのパンツは持ってきていたので,便所で履き替え,
こっそりと嫁の手荷物に入れておきました。
映像の出し物は無事成功のうちに終了。
し・か・し
ここから。ここからなんですよ,朝からフキーの顔色が悪かった理由は。
フキーが前に出る。そして,
「真面目な話があります。新婦側の幹事のHさん,前に来て下さい。」
はったんは俺の横にいたんだけど,何で呼ばれたのかわからず,てんぱってる様子。
「聞いてないですよ~」と言ってるので,「まあ行ってこいよ」と。
そして始まる,ガチ告白。
「あなたの明るさに惹かれました。デートして下さい!」こんな内容だったと思う。
遡ること数週間前。
新郎新婦に呼ばれ,新郎側幹事の俺,すーさん,フキーと,
新婦側幹事のHさん,Uさん(もう一人の幹事のコ)が初対面。
その場はただの顔合わせで終了し,俺とすーとフキーだけ残って飲み直した。
そこで出たのが,フキーからHさんへの思わぬ高評価だった。
「思わぬ」ってのは,別にHさんがどうこうではなく,
フキーが(アイドル以外に)そういうことを言ったことに対して。
ここ久しく無かったことだ。
俺とすーは嬉しくなって,「危ぶむなかれ,危ぶめば道は無し(中略)行けばわかるさ!」と,
応援することにしたのだ。
で,それも二次会の出し物としてやっちまえ!と。
その後,幹事同士の打合せを重ね,結構仲良くなったと俺は見た。
いきなり付き合うまで行かずとも,まずデート,これはいけるのではなかろうか,と。
新婦側のもう一人の幹事Uさんにも協力をお願いし,万全の体制で,当日を迎えたのだ。
そして,フキーが勇気を出した二次会会場。
答えは・・・
「ごめんなさい」でした。
会場としては,うわはははざんね~んって空気で,それはそれで盛り上がって良かったんだけど,
フキーさんのそういう事の重みを知ってるサッカー部の皆は,ちょっと違う表情をしていました。
そんなら二次会の出し物にすんなよ,という意見も当然あるかと思うけど,
そういう何も分かってない人には,この言葉を捧げたい。
「ですよね~」
その後は,新郎職場の人がどさくさに紛れて告白した後,ビンゴに移行。
俺は何にも当たらなかったけど,フキーが映画のペアチケットを当てるという奇跡が起きた。
新郎新婦の手紙が読まれた後,無事二次会はお開きに。
最後の方,三角夫妻はあおればあおっただけチューするマシーンと化していた。
末永くお幸せに。