ハートフル岡山(2)
二日目、朝,8時に起きて朝食。
パンが焼きたてでおいしかった。
量は物足りないものの,バランスの取れた食事というかんじだ。
特にどこに行くかとかは決めていなかったので,
前日の夜かったマップルを見る。
備前焼の陶芸教室にしようかなと思ったその時目に入った小さな囲い記事。
「羅生門」
天然鍾乳洞のなれの果てで,岩の門みたいになってるらしい。
国定天然記念物とのこと。
マップルには最寄り駅である井倉から車で行く方法しか書いてなかったので,
観光協会に電話してみた。
新見市の観光協会,商工会議所ともう一つ,3箇所の電話番号が書いてあったんだけど,
時間が早すぎたのか,連絡ついたのは一つだけ。
そこで聞いたところによると,
「井倉駅からバスが出てるよ。でもバスの時刻は分かんない」
ということだった。
ま,とにかく井倉に向かうことにした。
特急と各停があって,どのくらい到着時刻が違うのか切符きってくれた女の駅員さんに聞いた。
すると,特急の方がかなり早いということで,特急券を追加購入してホームで待った。
10分くらいホームでぼーっとしてたら,さっきの駅員さんが改段を駆け下りてきた。
何事かと思ったら「特急も各停も,到着時刻はあんまりかわらないので,
各停で行った方がお得です!」と,特急券払い戻しのお金を持ってきてくれた。
1000円浮いた。ありがとう。
倉敷から鳥取米子の伯耆大山駅へ向かう伯備線の各停にゆられて,井倉へ向かう。
高梁川に沿ってずっと線路がのびていく。
電車はがたんがたん揺れる。
最近中央線の新車両に乗ったばかりだったので,違いを感じた。
アサヒ芸能を読み終わるころに,井倉についた。
降りたお客は僕と,家族連れが1組。
「ようこそ」とか書かれたデカくて白い門があるけど,
その間から見えるのは,何だかよく分からない駄菓子屋が1軒と,軽自動車だけだ。
観光客は欲しいけど特に努力はしてないって感じだ。
「彼氏欲しいけど~ありのままを好きになって欲しいし~」ってなもんだ。
言い過ぎた。
バスの時刻表をみると,数時間に1本ペース。
僕はこの日6時前に間違いなく岡山駅にいなくてはならなかったので,
あんまり余裕はない。
この時点で13:10。
幸い,羅生門まで行くバスは,もう20分くらいで来る予定だけど,
帰りのバスの時間が分からない。
観光協会に電話して,バス会社の電話番号を入手し,電話かけた。
すると,井倉からバスに乗って羅生門に突くのが14:00頃。
羅生門から井倉まで行くバスは,羅生門を15:10発とのこと。
1時間10分か。微妙なところだ。
駅員のおっさんに話を聞いたら,「バス停から結構歩くんだよねー。
行ったことあんの?ないなら道もわかんないだろうし・・・」
とか困ったお言葉。
帰りのバスに乗れないという最悪の事態を想定して,
「タクシーってないですか?」と聞いたら,駅員が指さした先に一台のタクシーが。
バスの時間も迫ってたので,タクシーに寄るけど,誰も乗ってない。
どこにいるんだ運ちゃんはとタクシー近辺を捜索してたら,
その脇にある掘っ立て小屋みたいなところから,しわしわの爺さんが顔をだした。
「なに?」というので,「すんません,帰りのバスが間に合わなかったら迎えに
来てくれませんか?」と言うと,
「いーよ」とのこと。電話番号を入手した。
これで安心・・・と思って何気なく掘っ立て小屋の中を覗いたら,
おっさんの生活感まるだしの部屋が覗いてた。
お菓子の袋出しっぱなしだし,テレビにはプレステの麻雀がついてる。
本当に大丈夫なのか・・・?
なるべくバスで帰ってこれる時間に戻るしかあるまい。
バスに乗ること20分強。
羅生門入口の停留所に到着。
ところが,降りたはいいものの,広がる農村部。
案内板が指す道の先に広がる畑。
手がかりが少なすぎる。
時間を考えるとゆっくりは出来ないものの,道を間違えたら一発でアウト。
ここまできて収穫ゼロで帰るハメになりかねない。
急がば回れということで,近くにあった役所風の建物で道を聞くことに。
入ってみると,中は事務所っぽくなっており,中年女性が1人で仕事していた。
「すみません,羅生門に行きたいのですが・・・」
というと,丁寧に道を教えてくれた。
でも話を聞いていると,片道30分弱はかかるんじゃないの?とのこと。
帰りのバスまでギリギリの計算だ。
荷物を置いていっていいか聞くと,快諾してくれた。
ありがたい。岡山よ,心のふるさとよ。
(二日目つづく)